2003-01-05

寒い日の熱いスタッフ   NO 305

今日の大阪は、今冬一番の冷え込み。水溜りが凍り、強くて冷たい風が体感温度を下げ、10分も歩けば凍りつきそうな寒さだった。

 こんなことを書けば、北海道のメンバーに叱られる。日中の最高気温がマイナス10度という日もあるそうで、涙さえ凍ってしまう酷寒の世界は想像を絶するものだそうだ。

 式場の入り口を掃き清め、水を打つことも行っているが、「厳寒」の日の「玄関」に水は禁物、ケガ人が続出して責任問題に発展する恐れがある。

 そんな中、弊社のミス・ホスピタリティが、お客様の打ち合わせを終えて帰社した。ご当家では人の出入りが激しくて暖房設備が間に合わず、家の中で皆さんが震えておられたとのこと。式場に行く前、ご自宅に暖房設備を届けなければと言っていた。

 彼女が預かってきたお写真を拝見したスタッフの誰もが、失礼なことだが「かわいいお爺ちゃん」と言った。上品なお顔立ちで、元はある大学の理事長さんだったお方。「そんな感じがするね」と女性スタッフの会話が弾んでいた。

 さて、年末、弊社に新人が入社。変わった経歴の持ち主で、仏教系の大学を卒業して僧侶の道を進み、脇導師の経験を80回ぐらいしてきたが、「何かがおかしい」と疑問を抱きながら日々を過ごしていた時、ふと、弊社のHPと遭遇し、入社するという仏縁になった。

 人事担当の室長が面接を終え、本人が帰って行った後、すぐに電話が掛かってきた。

 「私、面接の際、室長に何処かでお会いしたことがあると思っていたのですが、やっと思い出しました」

 彼は、室長の後輩で、学生時代に企画室長の下宿に行ったことがあると思い出したそうだ。

 「今の葬儀には、矛盾があります」

 初出社の日、彼は、そんな素朴な悩みを私にぶつけてきた。

私は、「宗教者側から考えるから見えない。遺族や参列者の立場で客観的に考え、葬儀社という中立的なところで判断すれば確実に見える」と教え、研修用のビデオ映像を見せながら、疑問が生じる問題点を共に分析していった。

「少し見えました。やはり、今の葬儀はおかしいですよ。このままでは、お寺の存在価値が下がる一方です。キーワードが見つかったような思いがします」

 彼は、現代葬儀に於ける宗教者の危機感を強く抱いていたようで、無宗教形式が潮流となっている背景を説くと、納得しながらも、「このままではいけない」という思いを表面に出してきた。

 導師は、これからの時代の通夜や葬儀で何を行うべきなのか。彼は、僧として行動していた時、若い僧侶達と何度も論議を交わしたそうで、いつも危機感に到達し、そこから前へ進めなかったと語ってくれた。

 弊社の社員として葬儀に従事し、葬儀の意義についての新しい発見でもあればとエールを贈っている。
久世栄三郎の独り言(携帯版)
携帯で下のQRコードをスキャンするか
 または
携帯に下のURLを直接入力します。
URL http://m.hitorigoto.net