2003-12-29

「心配り」 「餅配り」   NO 651

写真は、私の隠れ家があるメモリアルサービスの事務所だが、テレビ型のパソコンからも懐かしい思いがする。

 さて、今日は、一流旅館の女将さんでも考え付かない「気配り」の話を書かせていただく。

 ある会社が、毎年の暮れ28日に餅つきをされている。その量たるや凄いもの。町の餅屋さんも真っ青という大イベント。社員全員と取引先の人たちが協力し、真っ白になって餅を丸めておられる。

 ここまでは、全国にどこでもある話だが、ここが凄いというのは続きがあり、それが本日の本章である。

 社長も偉いが奥様も凄い方。どうも「凄い」のオンパレードになって恐縮だが、ここから先を読んでくださればご理解いただけるだろう。

 このイベントを始められてから結構長いが、この28日の日は不思議な日で、その地域だけかも知れないが雨に遭ったことが一度もないそう。    

 朝から始まった餅つき、熱々の餅が丸められる頃、倉庫から包装されたものが運ばれてくる。

 それが何かというと、すべてが今年にいただいた中元と歳暮の空き箱。それぞれに贈ってくださった方々の名前が記され、そこに出来上がった餅を納めるのである。

 もうお分かりだろうが、その相手さんすべてに餅を贈る訳。近い所は社員が配達し、遠方は宅配となるが、そこに添えられる手紙が洒落ている。

 「粗品」や「御礼」なんて言葉ではなく、私がチョイチョイ使用する「もち」に因んだ表書きと同じ。

 いただいた方々の全員が、「何と粋な!」と思われるのは当然。心配り気配りの餅配りではないか。

 お餅で思い出したが、今年は米不足で餅屋さんが泣いておられる。聞くところによるともち米の仕入れ価格が去年の約2倍だそう。それでも入手出来なかったお店もあるという。

 「お客様に倍の負担は気の毒だ。今年は当店も泣くことになる」 そう言われた餅屋さんの善良な心が嬉しいところ。

 間もなく正月、お鏡餅の習慣も全国様々だが、関西形式では昆布、橙、干し柿が付き物。
伊勢海老、裏白、四方紅の色紙なども見るが、お鏡は神様へお供えするもの。そこで新年に合わせてめでたいとされるものだが、これらは先人の語呂合わせという知恵みたいな歴史もある。

 不景気でみかんが代行する場合もあるが、「橙」は「代々」であり、干し柿は両側に2個ずつ、中央に6個並んで棒についている。それが「いつもニコニコ、仲睦まじく」なんて、先人には粋な人が多かったようだ。
久世栄三郎の独り言(携帯版)
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