2004-01-31

奇遇な「ご仏縁」   NO 686

私が担当する葬儀に行こうと準備をしていると、二人のスタッフがインターネットを開けている。

彼らは、同じ時間に行われる別の葬儀の担当者で、道路情報を調べていた。

 弊社から車で30分以上も離れている旭区、そこから阪神高速を経由して大正区の小林斎場までお送りするという大阪を縦断するような葬送コース。渋滞があれば大変で、工事や通行止めのチェックをしていた。

 幸いなことに今日は土曜日、いつも渋滞している地点もスムーズに流れているよう。確認が済むと「ご出棺前頃の情報を知らせてね」と言って飛び出して行った。

 ゆっくりでいいぞ、事故を起こすなよ。それがいつも送り出す言葉。無事故で帰社してきた姿を見るとホッとするのも日課。

 さて、弊社の幹部社員が興味深いことを言い出した。彼が数日前に担当していた葬儀、そこで世話人代表をされていた方のご家族に見覚えがあるそうだ。

 詳しく聞いてみると、お手伝いをされていた女性が高校時代の同級生らしいと言う。

 その女性、世話人代表の息子さんのお嫁さん。地方出身の彼だから<まさか?>と思っていたが、彼は「間違いない」と言い切る。

 こうなれば乗りかかった船、世話人の近所にいる私の友人に聞き出すことにした。

 世間話からさりげなく本題に入り、お嫁さんの出身地を聞き出す。それは、プライベートに関することだが、私自身も世話人と親しい関係にあり、同級生の確認ということなら問題ないだろうと教えてもらった。

 答えが出た。間違いなく同級生と。彼の実家のある地から嫁いで来られていた彼女。

 しかし、彼女は、彼のことに気付いていなかった様子。高校生の時代からと言えば10年と少しの年月が流れている。こんなかたちで再会するとはまさに「ご仏縁」。相手側の方が知られたら間違いなく驚かれるだろうが、その公開は私の役目ではないと思っている。

 「えっ? 冗談だろう?」 そんな世話人の言葉となるだろうが、この数日中にそうなるだろうと予測している。

 青春とは美しい言葉、世話人のご家族と懐かしい思い出話に花が咲くことを楽しみに、一足早い春の訪れを感じるような出来事であった。
久世栄三郎の独り言(携帯版)
携帯で下のQRコードをスキャンするか
 または
携帯に下のURLを直接入力します。
URL http://m.hitorigoto.net