2012-03-08

変遷の背景に  NO 2865


  昔、葬儀の受付を女性が担当することは少なかったが、最近では当たり前のように見掛けるようになった。葬儀の世界は「男社会」という考え方が根強くあり、 お通夜や葬儀で女性が活躍されるのは「炊き出し」というのが定番だったが、今や女性なくして葬儀の世界は成り立たず、司会者も女性の方が多くなっている。

 ホスピタリティやコンシェルジュということから考えると、女性の存在が勝ることは間違いなく、弊社では随分前から女性の重用を重視して来た歴史がある。

 遠い時代、地方へ行くと、お寺で行われる葬儀の際、女性は内陣に入るなという女性差別的な考え方を強いられるお寺様もおられたが、今の時代にそんなことを持ち出せば、それこそ追及されることになるかもしれない。

 大峰山の登山や相撲の土俵では女性禁制という慣習が続いているが、そこに改革という時代が訪れるのかと不謹慎な興味を抱く。

かつては富士山、比叡山、立山なども女性禁制となっていたが、明治維新前後に解禁となった歴史もあるし、岸和田のだんじりや京都の祇園祭の山鉾は男性オンリーという慣習が続いている。

 女性に扉を開放したところを称して「女人高野」と呼ぶが、高野山真言宗の総本山も昔は女人禁制の時代があった。

 さて、今日の葬儀の受付にも男性の他に女性お二人がおられ、ご多数の会葬者を対応されていたが、開式後に来られた議員の方々のことをスタッフに知らせてくれている光景を見て感謝した。

 ご祭壇に何よりお好きだった釣竿が添えられていたが、本来は動物や魚に関する道具はご法度と言われている。しかし、不思議と「へら鮒」釣りに関しては寛容みたいで、その背景には吊り上げた鮒を持ち帰ることなく放つからである。

 西名阪高速道路の香芝サービスエリアの下に「分川池」という大きな池があるが、随分昔、私はここの桟橋で「へら鮒」と対話して歴史もある。

「へら鮒」釣りでは、一に場所、二に寄せ、三に餌という格言があるが、ある時、ちょっとした事件に遭遇したことがあった。

 座った場所がよかったのかもしれないが、次々に釣れる「へら鮒」を玉網で掬いながら「大きくなってまた会おうね」と放っていたら、5メートルほど離れたところで釣っていたオジサンからクレームがあった。

 全然釣れなかったその人物の言い分は、「兄ちゃん、釣った魚は網の中に入れてくれなきゃ、こっちの寄せた魚が散ってしまう」と言うこと。そこで私の取った行動だが、その人を欺く悪いこととは知りながら、確信犯の行為で網を水中に下ろし、釣った魚をその中に入れた。

  その網だが、底の部分の「糸」を解いており「意図」的に底から逃がしていた訳であるが、困ったことが一つあった。そのオジサンが先に帰るまでバレルので帰 られないということで、「あれっ、底が抜けていた」とボケようと考えたが、やはりお帰りになるまで我慢しようと、ずっと続けたという懐かしい思い出となっ ている。

 大阪市が揺れている。橋下市長対市役所、交通局という問題も表面化しているが、誰が考えてもおかしいことをしている現実は改革されて当然だろうが、そんな裏側で弱者が困惑している事実もある。

 銭湯に行ったら署名用紙が目に留まった。毎月1日と15日は「お年寄りデー」となって、70歳以上で市内に在住する人は240円で入浴出来るという浴場組合のサービスが、大阪市の補助金カットで出来なくなることへの反対活動だそうだが、多くの人達の署名が並んでいた。

 それを楽しみにしておられる人の存在もあるだろうし、それで多くの人達との交流につながれば意義もある筈なので、予算が厳しいからカットする行政の冷たさには抵抗を感じてしまう。

 カジノ構想や国政参加をぶち上げている市長だが、改革は大いに結構と賛同するが、オーケストラや文楽などの文化に対する予算削減や、上述の銭湯の問題では、優先順位を間違えないようにと伝えたい。
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