2002-11-29
注目される日本トータライフ協会 NO 268
大阪研修会で、日本トータライフ協会のホームページ「リニューアルバージョン」のプレゼンが行われた。
監修を担当したのは、当協会の副理事長。制作に携わったのは、この世界でのプロ中のプロ。完成一歩前という段階での披露となったが、その世界はまさに「メルヘン」。
利益追求ではない活動団体らしいイメージが見事に表現され、匠達が感嘆の声を上げていた。
このリニューアルに取り組んだのは今年の初め。何度も東京で合議を重ね、何回も白紙に戻して「かたち」になったもの。それだけに中途半端なレベルではなく、オープン化されたら大きな話題を呼ぶことになるだろう。
葬祭業界は、この数年、葬祭ディレクターという方向で進んできているが、幕を張る技術など必要なく、今や葬祭プロデューサーという世界が求められつつあ り、近い将来、ブライダル産業のように個人的なプロデューサーも出現し、葬祭業者を下請け化するビジネスが潮流となるだろうが、非日常的な世界であり、無 知なお客様が、プロデューサーの自己利益中心主義に泣かされる危険性があると予測している。
葬儀の専門家を育てる学校も誕生しているが、実際の葬儀を体験していない教授陣も多く、そこに学ぶ学生達が我々の講義を求めてくるという不思議な現象があるから面白い。
彼らの情報収集、そのひとつにインターネットの存在があるが、葬儀に関するページの検索をすれば、すべてと言って過言ではないほど日本トータライフ協会に関するメンバーが登場しており、教授達が悩んでいるということも聞いている。
結論は、「体感に勝るものなし」ということだろうが、協会メンバー達の抱く哲学や信念は強烈で、プロの葬儀を1回体験すると、一挙に「宗旨替え」というケースが大半。
今後、いよいよ協会の存在が業界で疎んじられる時代を迎えることになるだろうが、それは、社会ニーズを適格な「かたち」に具現化するからとも言えるだろう。
最近、若いメンバー達が面白いことを言い出した。
「物事の研鑽は、早く本物に出会うことが最短の道」との意見が共通し、会う度に求めてくるレベルがグレードアップしてきているのである。
応える方も大変である。自らの研鑽なくして若手を率いることは出来ず、これらは自身を磨くという相乗効果にもつながっている。
日本トータライフ協会が組織化された発端に、我々葬儀社が死を迎えた時に「どんな葬儀で送られたいか」ということがあり、経営の観点から離れ、理念を共有する匠達が「夢集団」として形成されてきた背景がある。
この姿勢は、これからも不変であると信じているし、葬儀の世界ではない各分野のプロ達が参加してきているところに存続意義があるように思っている。
加盟メンバーの会費で運営される理念共有団体は、今、葬祭業界、ホテル業界、マスメディアなど様々な世界で注目されてきているが、加盟の際の厳しい条件の ひとつに「経営者の葬儀に対する信念」という「論文」の提出が義務付けられており、クリアするためにステップアップしながらウェイティングされている業者 がおられることが嬉しいところだ。
日本トータライフ協会への加盟。それは、安心のブランドという「かたち」での認識が始まっている。