2004-09-17

空港でのハプニング パート2  NO 916


 「お客様、隣席の方が見つかりました。今、外で係りの者が事実確認をいたしておりますが、お会いになりますか?」

 <トラブルの解決を乗客同士で?酔っ払っていた人物と?>それは、究極のサービス業と認識されている航空業界では考えられないこと。<ちょっと、おかしいのでは?>と疑問を抱く。

 やがて新しい情報が入ってきた。隣席の人物のバッグ、中に何かを冷やすために氷が入っていたとのこと。ビニール袋で密封されていたのが破れていたからと聞いた。

 これで加害者が彼であることが判明した。また、その液体が水だったことで安心したが、被害を蒙った私の立場は<どうなるの?>と腹立たしい。

 自社側に直接責任がなかった事実でスタッフの言葉に変化が。丁寧な言葉遣いだが、問題が「氷」だからか冷たさを感じる。そこには会社も被害者みたいな雰囲気さえ。

 「お客様、当方といたしましてクリーニング代という規定がございまして、このお土産につきましてはこのままという訳にも参りませんので、ご購入された代金を現金でお返しするということでいかがでしょうか?」

 「じゃがポックル」は、北海道の一部の空港だけの限定販売だし、最近はインターネットで購入可能らしいが、その冷たい対応には怒りの虫が治まらない。まず、パソコンバッグのクリーニングなんて、どこで引き受けてくれるのだろうか?

 そのクリーニング料金をANАに請求する手間を考えると腹立たしいではないか。

 「誤解しないでくださいよ。私はあなたや会社にクレームを言っているのではないのです。原因を知りたかったことが一番で、水ということで安心となれば、そこから私が何を求めているのかを確認されるべきでは?」

 それは、怒りモードを出さないように気遣った私なりのトーク。<トラブルに対するマニュアルは二の次では?>と言いたいが、ちょっと抑えて我慢を。対応する彼女が<そうですね>という表情で頷いているので期待してしまう。

 だが、意外に現実的な言葉が返ってきて驚いた。

 「このお土産ですが、現金ではご納得いただけないということでしたら、後日に当方から送付ということでは? 日数を少し要しますが?」

 これは、サービス業のプロの対応ではないと断言する。これではどんなに優しい心の持ち主でも怒りモードに進展することは避けられないだろう。<でも、紳士的に>というのが私のプロ意識。

過去に東京のホテルの部屋で遭遇した「命に係わるハプニング」さえ優しく接した変な私。今回のことなんて小さな事件。もう30分以上の時間が経っている。その方が無駄なこと。そこでひとつの提案をした。

 「土産は孫に送るもので急ぎません。後日に同じ物を送って貰えば結構です。しかし、この顛末について文書による報告をお願いしたいのです」

 それは当然の要求だと確信している。商品だけを送ってくるのは非常識、そこに加害者とのやりとりの結果や謝罪の一文が添えられていて当たり前。

こ こでプロらしい行動をされるなら、事情聴取をされた加害者である乗客の情報で住所、電話番号、氏名なんていらないが、本人が謝罪したようなコメントを添付 するのがサービス業界の常識。そんなシナリオを描けるのか描かれないのか? それが勉強という「お土産」となった出来事。

 席の確認のために手渡した搭乗チケットの半券と、じゃがポックルの領収証を渡したままだったが、事件が飛行機だからか?「半券2枚で素敵なプレゼント」というキャッチコピーに「空々しい」思いを抱いて帰宅した。
久世栄三郎の独り言(携帯版)
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