2004-10-03

業界の変化  NO 931


 数日前の夜、地方の同業者の方からアポのご要望が。<どうして夜に?>と疑問を抱いたが、迷いに迷って決断されたようだった。

 多くの葬祭式場を有しておられるこの会社、社内全体会議で幹部社員から問題提起があったそう。

 参列者の人数の激減、無宗教形式要望の増加と共に、偲ぶ会、お別れ会を目的として葬儀を家族葬にしたいというニーズの高まり。その先行投資に不可欠となるノウハウとソフトを要望されてこられた。

 社長さんの発言に<なるほど>と納得することがあった。「親戚や参列者が全国で様々な葬儀体験をされている。もう、地域の慣習を楯にして逃げている時代でなくなっているのです」と結論されている。

 業界が陥りつつある近い将来への危機感がひしひしと伝わってきたが、その背景にインターネットの影響や、忌み嫌われた葬儀関連情報を、マスメディアが積極的に採り上げ始めた少子高齢社会の環境変化があると思っている。

 すぐにでも来社されたいとのことだったが、取り敢えず12月に開催する弊社主催のセミナーへご参加をと対応した。

社会ニーズに敏感に対応されようとする姿勢は素晴らしいこと。葬儀に対する変革ニーズは急激に速度を増してきている。他人任せや業者任せは時代遅れ。ご自身やご家族で考えられる形式が潮流。こうなったのは、我々葬儀社や宗教者に対する不信感が積もっていたことも否めない。

 一生に一回の大切な儀式、未曾有の悲しみの中で勝手に進められてしまい、終わってから間違いなく手遅れとなる「後悔」を発見される。

 そこには我々の価格、内容、サービスだけではなく、お布施に対する問題も?

 葬祭サービスに多様化という言葉は似合わない。なぜならグローバルだけではなく「古人」が残した歴史の理解が大切だから。そこに「故人」を送るプロが学ばなければならない温故知新の世界がある。

 上述の社長さんだが、弊社にアポの決断をされた事情があった。自信を持って対応した無宗教のお客様からクレームを頂戴したそうで、そのお言葉の中の「大阪で勉強されてきたら理解される筈です」で衝撃を受けられたそう。

 ここにも「体感に勝ることなし」という事実がある。遺族に近い親戚の方が、数ヶ月前、弊社の無宗教葬儀に参列されていたそうだ。

 <「独り言」が参考にならなかったのかな?>という疑問もあるが、まずは12月10日のセミナー「久世栄三郎の世界」への受講者のお一人となったので歓迎申し上げる。
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