2004-09-23

コピー禁止?  NO 922


 東京出張が近付いた。プロと呼ばれる人たちが長時間を要して「かたち」を創造しなければならず、一睡もしない人たちも出てくると予想している。

 打ち合わせに使われる部屋は24時間OKとのこと。経費の節約から出来るだけルームサービスを遠慮し、コンビニで夜食などを買い込んで持ち込もう?と思っているが、ホテル側に暗黙の了解を得るシナリオを描き、ゴミや空き缶など後始末を徹底しなければ。

 昨日書いた出張中の大阪での「偲ぶ会」、最終シナリオのチェックと進行テストを行った。実際に音楽を流し、その場の情景を思い浮かばせて司会者に喋らせ、アシスタントを担当するナレーターにも本番バージョンの緊張を与えた。

 そんな中、どうしても映像に入れたい場所が思い浮かび、デジカメを持たせて撮影に走らせる。それは、故人にゆかり深い場所。そのお陰でビデオ映像はやり直し。ナレーション構成も大きく変更することになり、明日、1時間で創作することになった。

 「あれも、これも」とスタッフ達から次々にアイデアが出てくる。創作に関する時間と労力は完全なご奉仕。費用換算を度外視して、彼らのやりたいことにゴーサイン。

 しばらくすると変なことを言い出した。私に向かって「声だけ貸してください」と。

 手渡されたプリントに施主さんが綴られた一文があり、それを私に吹き込んで欲しいそう。たった2分だが、声優として声だけ出演することに。

 この担当の数人が遅くまで残業している。せっかく出来上がったものを「一からやり直せ」は辛い筈。しかし、それがお客様に喜ばれるという「ベスト・モア」精神が弊社の姿勢。きっと「出来ました」と嬉しい表情を見せてくれると期待している。

 今回創作した台本は、誰が見ても10分でその構成が理解できる形式。会場側の音響、照明を担当されるミキサーが「これだったら安心です。打ち合わせも必要ありません」という筈のバージョン。過去に本番当日にしか行けなった際、いつも使用した構成シナリオだ。

  「前日に打ち合わせを」とホテル側から何度も懇願され、徐々に「泣き」が入って、終には絶叫寸前?にまで至って申し訳なかった思い出もあるが、当日に台本 を見られて「これだったら! 心配ないと先におっしゃってくださいよ」と言われ、「だから言ったでしょう」と笑い合ったエピソードも多い。

 それらは初顔合わせの場合のこと。2回目となれば先方さんから「当日バージョンでいいですよ」となる。こうなれば私も楽。そのためにそんな時間の苦労が生じるバージョンを創作しているのである。

 しかし、これらは一切コピー禁止。本番終了後、すべてが回収される。手渡したスタッフや関係者の氏名が記載され戻ってくる。コピーの事実があれば著作権という知的財産の侵害。そんなホテルとは一切付き合わないのは当たり前。

 今や世の中何でもありだが、プロの世界の礼節は厳しいもの。それなくして仕事に「誇り」は生まれないだろう。
久世栄三郎の独り言(携帯版)
携帯で下のQRコードをスキャンするか
 または
携帯に下のURLを直接入力します。
URL http://m.hitorigoto.net