2004-10-16

小さな船で大海に  NO 944


 事務所に入ると机の上が混乱している。昨日にプリンターが1種増え、今日はパソコンのグレードアップが行われている。

 「セッティングは私に任せてください」と、近鉄ファンが張り切ってくれているが、パソコンオンチの私には、彼と女性スタッフ達との会話が宇宙語みたいに聞こえてくる。

 新事業の展開にはパソコンが不可欠、どのパソコンにも貴重な資料が入っているが、創作されたものはすべてに安全対策が施されているそう。

 付属品が収納されたケースに書かれたキャッチフレーズが面白い。「愛のメモリ。あなたのパソコンは、愛(メモリ容量)が足りない。もっと愛を」とある。

 裏面を見ると次のような説明が。

 「パソコンの標準搭載メモリは、実はOSを動かすだけで精一杯。ストレスなくアプリケーションを動かすには『メモリの増設』が最も簡単でコストも安く、効果があります。パソコン環境に合わせて、適切なメモリを選びましょう」

 私のパソコンには文字しか残されていない。コラムの原稿からナレーション、手紙、メールの文章だけだが、その文字数はとんでもない量。ひと昔前のテレビみたいなデスクトップ型ならパンクしていると言われた。

 それが薄いノート型に入力され、ほんの一部の容量でしかないというのだからびっくりする。

 携帯電話が信じられないスピードで変化したように、パソコンの進化も著しいが、そんなユビキタス社会では恐ろしいセキュリティの問題が秘められている。

 帰宅前に携帯電話でエアコン、風呂の湯、炊飯器などの作動が可能な時代の訪れ。それを第三者が紛れ込んで悪用したらとんでもないことに。

 社会の変化は、法律の改正が物語るように「イタチごっこ」の歴史があるし、それは人間社会で永遠に続く問題で、一方に喜ぶ者があれば泣く者が生まれるが、少子高齢社会の到来に弱者に優しい社会が大切だろう。

 夕方から「隠れ家」で順に来客を迎える。構築してきたプロジェクトの最終仕上げ、他業種のプロの意見を拝聴する。

 15年間あたためてきた構想に時代の流れが追い着いた。今が潮時と帆を張り大海に乗り出すが、葬祭業界を急変させてしまう強烈なパワーが秘められている。

 それぞれのプロ達から「やりましょう!」との賛同が。なぜならリスクが「ゼロ」だから。

 21世紀の葬祭サービスは、社会賛同と歓迎なくして成り立たない。その背景に「悲しみの理解」と「愛と癒し」のキーワードがある。その「かたち」を誰もが見える具現化が大前提。そんな追い風を確実に感じた今日だった。
久世栄三郎の独り言(携帯版)
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