2006-05-22

古いのかなあ?  NO 1512 


 新人の社員達に「これからの人生で加害者になるな。被害者になるな」と伝えているが、これは葬儀の仕事に携わってきた私の心の叫びみたいなもの。せっかく「葬祭業」という立派な仕事に従事したのだからと<そうあって欲しい!>との願いでもある。

 佐賀県で小学生が「ひき逃げ」の被害に遭ったようなニュースがあったが、全国で信じられないほど「ひき逃げ」事件が発生しているそうで、加害者が検挙されない被害者や家族の心情を拝察するとあまりあるものがある。

 私も過去に当て逃げをされた体験がある。国道25号線の源ヶ橋交差点で信号で停止していたところ、後方から横をすり抜けて赤信号を無視したセドリックが後部に接触、大きな被害をそのままに逃げてしまった事件である。

  そこから直進して200メートルでJR環状線の寺田町駅だが、加害者の車は高架を過ぎると左折し狭い地域の中を猛スピードで走行、<これでは新たな事故の 危険性が!>と判断してナンバープレートを記憶、すぐに警察に届けたら1週間後に逮捕されたが、無免許で友人の車という若者だった。

 助手席に乗っていたのは彼女だったそうだが、警察で親に付き添われた姿が哀れ、愚かな仲間との「出会い」は「出遭い」と書くべきものだろう。

 最近に目立っているのが車の盗難、外国人組織が絡む大掛かりな犯罪プロ集団が暗躍しているようで、そんな連中が事故を起こしたら間違いなく逃げてしまうということ。それだけ被害に遭遇する確率が高くなっている危険な社会とも言えるだろう。

 過去に会社の車が何度か車上狙いに遭ったが、その大半が寺町のお寺で通夜や葬儀が行われている間。親戚の方々や参列者の車も被害に遭った事件もあり、駐車場が恰好のターゲットにされることも知っておきたいものである。

  我が日本の社会は「恥の文化」で成り立ってきていた筈。他人のものを盗む行為がどれほど世間から蔑まれたかを昔の人ならご存じだろう。我々団塊世代の人間 もそんな教育をされてきており、今の社会状況は嘆かわしい限り。羞恥の文字が何処かへ消えてしまったような思いがする。

 家の恥は親戚にも及ぶもの。他人様の「白い目」や「後ろ指」という言葉を幼い頃に教えられ、ご先祖様とお天道様の登場する食卓のひとときも覚えている。

 若い人達向けの講演でそんな話をしたら笑われるが、その思いが反省と後悔の境目となることを説くと結構理解につながるようだ。

 近頃、弊社で働きたいという人達が多い。志望動機の内容もしっかりており何かが変わってきたような感じもしている。そんな中、この「独り言」を間違いなく読んでくれていたなと思う一文があったので紹介を。

「葬儀の仕事って立派なプロの仕事だと確信しています。悲しみに包まれた遺族に対して少しでも悲しくないようにして差し上げる配慮、そして悲しまれる環境と時間をプレゼントしてあげるプロの仕事に憧れています」

 これは、結構前に書いていた内容が抜粋されて並んでいる。若い人にしては立派な考えを有しているようである。今、私は人事に一切タッチしていないが、素晴らしい人達と出会い、入社後から「人材」を「人財」に育む仕事で人生経験を活かしたいと考えている。

 若いスタッフ達、悲しみのお客様のために精一杯の「配慮」という尽力を願っている。
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