2006-09-16

アマポーラを聴きながら  NO 1629


 病気に関する話題で恐縮だが、ご訪問くださっている皆様の健康を願い上げながら今日の号の発信を。

 8年ほど前「50歳を過ぎたらチェックを!」という医師のアドバイスで、脳のMRI検査を受けたことがあったが、恐怖感を抱きながら指定された病院の玄関を入った思い出がある。

 放射線を使わず強烈な「磁石」を用いる検査システムだが、検査中に発生する大きな音が大変。そんな環境の中、じっと動かずにという条件。痛みは一切ないが、閉所恐怖症の方には問題が生じるというように、精神的に苦痛を伴う検査である。

 問診用紙に書き込みしながら、意外だったのが刺青やアートメイクがあると問題があるということ。これらは金属性物質を原料とした化粧品と同じで「火傷」する危険性があるそうで、承諾書に署名しなければならないそうだ。

  検査の結果「何の問題もありません」ということで安堵したが、それを友人に話したらその場で「俺も受けてみる」と言い出し、「刺青はないだろうな?」と返 すと大笑い。そして、次の日に申し込み、10日後に受けた検査で軽い脳梗塞が発見され、笑えなかったが命拾いをしたという出来事もあった。

 今春の入院中、手術の日までに徹底した様々な検査が行われた。その中にMRI検査もあったが、その時は造影剤を注入する検査だったように記憶している。

  50歳を過ぎれば何らかの病気があって当たり前だそうだが、病気の治療は原因究明なくして成り立たないもの。特に急病で一時を争う緊急時には、検査の「段 階」で「さようなら」という危険性が高く、ここに我々「団塊」世代が第二の青春時代スタートのために検査を受けようと提起したいわけである。

 さて、9月14日付け毎日新聞夕刊11面に「考える耳」とタイトルされた東大大学院教授で美学芸術学の「渡辺 裕(ひろし)」氏の書かれた6段抜きの記事に興味を抱いた。

「叡智なく進められる『改革』」 「入門CDと政治に見る知の貧困」という見出しがあり、冒頭に「クラシックの『定番』曲のサワリを集めた『ベスト・クラシック100』というCDが売れているらしい」とあった。

 中盤にあった次の部分に<!>を感じ、まずは原文で書かせていただく。

「19 世紀のドイツで出たハンスリックの『音楽美論』という有名な本がある。そこでは、音楽体験は純粋に精神的な体験であるべきだとして、音楽を感覚的なものと 捉える態度が強く批判されている。音楽によって思わず心を動かされたなどどいう話は、音楽の本来のありかたからすれば、風呂に入ると気持ちがよいというの と同じレベルの邪道な話で、そんなことでよいならアヘンでも吸うのが一番手っ取り早いといった、かなり過激な主張が展開されている」

 紙面の関係でこれだけでは前後の文章関連が分からず、誤解を招くかもしれないが、独自の音楽文化論や入門CDが知の貧困を雰囲気を感じさせるというお考えに共感を抱くような気がした。

 そんなところから、塾生の誕生日ということもあり、今日は少し長くなるが私の好きな曲についてしたためよう。

 自分で演奏することもあるが、私は「アマポーラ」という曲が大好きで、特にマントヴァーニーの編曲がお気に入りである。

 ロバート・デ・ニーロ主演の映画「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」の主題曲に使用されていた名曲だが、この映画の監督は有名な「セルジオ・レオーネ」。音楽を「荒野の用心棒」や「夕陽のガンマン」で組んだエンニオ・モリコーネが担当していた。

 エンニオ・モリコーネは他にもアンタッチャブルの音楽を担当し、意外にも2002年NHK大河ドラマの「武蔵」でも音楽を担当していたことを知って驚いた。

  上述の映画はそれまでの映画にない美しい画面が観られたことで知れているが、その秘密は撮影時に挿入する実際の光景音楽を流していたという事実。それを耳 にした俳優やカメラマン達が自然に溶け込んだキャスティングパワーを発揮し、非常に完成度の高い作品につながったと言われている。

 過去にこの曲をBGMに使用し、テープに語り掛けを吹き込んでプレゼントした思いでもあるが、耳にして心の扉を開け、そこからら幸せ感に包まれることになるから魅力があるのだ。
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