2006-10-25

出張先で  NO 1668


 腰痛や神経痛には掛け流しの温泉の効能が何より魅力、朋友の配慮で手配してくれた宿の湯、硫黄泉、食塩泉、酸性鉄泉などを巡り、仕上げの「打たせ湯」が特に肩と腕の痛みを和らげてくれたみたいで、朝から少し楽になった。

 韓国、中国、台湾の人達が多い。白人の団体も来ているみたいでインターナショナルの世界。彼らが交わしている言葉が理解できたら面白いだろうなと寂しい思いも。

  みんなで昼食に出掛けたラーメン専門店でビックリ発見があった。出汁用に添えられた蓮華だが、沈まないように鉢に引っ掛ける工夫がされている。それこそ生 活の知恵、この歳になるまでそんなことを知らず、目が点になるほど感服したが、果たして大阪のラーメン店にあるのだろうか。

 ラーメンや炒飯を食しながら机の上に祭壇の写真を並べている。普通では絶対に発想しないようなデザイン、それが見事に「かたち」となり、お客様が涙を流して喜ばれたそう。社長達から様々な参考資料を頂戴して次の行動予定へ進んで行った。

 夜、洒落た居酒屋で食事を済ませ、繁華街から遠く離れたところに「こだわり」の店があるからと連れて行って貰った。

玄関のイメージも普通じゃないが、扉を開けた中は素晴らしい空間環境が創造されていた。

  ジャズ、スコッチという完全な大人の世界。部屋のデザインからカラーリングまですべてオーナーさんの思いを「かたち」にされたもの。置かれていたウヰス キーも半端じゃない。それこそ「通」の人達に愛される常連客の憩いの場所。そんな洋酒が並んだ棚に古いライカのカメラが数種類置かれていたのも印象的。著 名なホテルにおられたそうだが<大阪にこんな店があったら>と思いながら至福のひとときを過ごした。

 話題の中、オーナーとは「ヘラブナ」釣りという趣味で共通が。そこで奥から持ち出して来られた高価な竹竿を拝見したが、手にしながら昔のことが次々に過ぎり、松方弘樹さんから愛媛県の鹿野川ダム、九州の市房ダムや椎葉ダムの大型ヘラブナに話が弾んだ。

次の日のこともあり、日付が変わる前にタクシーでホテルに戻る。この「独り言」を打つ前に資料の整理をしていたら猛烈な睡魔。そんなことが滅多にない私、すぐにベッドに飛び込んで「独り言」が休載に。ご訪問くださった方々に申し訳ございませんと手を合わす。

 今日の昼食もラーメンだった。やはり蓮華が引っ掛かるようにデザインされている。話の種が増えたと思いながら、少し前に入手した石川啄木のカルタ作品のプリントに目を通す。

我々日本人が聞き易い「五七調」ではないものも出てくる。分かり易く言うと「七七調」である。それをナレーター的に喋ると難しい。そんな会話が終わってから出掛けたところが大変だった。

 59年間生きてきて初めて体験することになった世界。予想もしなかったことをせざるを得ない状況に迫られた。覚悟を決めて先生の指導を受けたが、それが何かはご想像に任せるよう。

 時計を見ると出発の時間。空港へ着いたら到着便の遅れで待たされてしまったが、行きも同じ事情から30分も遅れていたから往復の災難だ。

同 乗するらしい修学旅行生達がワイワイ騒いでいる。私が知っている高校である。引率の先生の大声が聞こえてくる。一般の人達の存在を気にされているようで丁 寧な言葉遣いが、それがどうも奇異に感じてしまう。しかし、皆さんに迷惑を掛けないようにという思いだけは伝わって来る。

 さて、関西空港へ着いた。乗客が立ち上がって動き出そうとした時、ふと隣席を見たら細いコードが見え、その先に黒い物体があった。間違いなく忘れ物である。

 それは若い人達に流行している音楽収納のハイテク機器だが、隣席に居た女性の持ち物である。そこで彼女に声を掛けたらビックリされ、信じられないぐらい感謝をされて恐縮した。
久世栄三郎の独り言(携帯版)
携帯で下のQRコードをスキャンするか
 または
携帯に下のURLを直接入力します。
URL http://m.hitorigoto.net