2006-10-20

便利な裏側で  NO 1663


 便利になった高速道路の料金所、ETCの登場で渋滞緩和や苛立ちの解消など、どれだけ精神的苦痛が和らいだかと考えると有り難いこと。そして加入者募集目的で割引の特典まであるようになった。

 しかし、その裏側で料金所窓口で仕事をされる5人の方が死亡され、20数名の方々が負傷されているという事実も知らなければならない。

「20キロ以下で通過」と表記されているが、大半の車が50キロを超えるスピードで通過して行く。大型トラックが80キロで通過する際に跳ね飛ばされたという事故もあったが、一方にバーが開かずに急ブレーキを掛けたら追突されたという事故も報じられていた。

 特に恐ろしいのが料金所を通過してからの合流地点、中には8箇所から3車線になるところもあり何度も恐ろしい目に遭った体験もある。

 何かが進化して便利になったら弱者の犠牲が生じる。そんなことも社会の常のようだが、謙虚で臆病に行動するだけで加害者、被害者の両者が少なくなることは確かだろう。

 ブログの流行の背景に誹謗中傷で泣く人も多いし、ウイルスや迷惑メールを送りつける問題も表面化しているが、それらが改善されないのがネット社会の脆弱ということなのか。何をしてもイタチゴッコの連続という結論のようだ。

  さて、東京のお寺様が脇導師を務められる葬儀を担当してきた。御導師をフォローされる動きが素晴らしく、失礼な表現で恐縮だが「鳴り物」と呼ばれる宗教用 具の使い方がお見事。お父様の代行として来阪されたようだが、御導師との音楽的な読経に声明の美しさを感じ、幼い頃から何度もご一緒しており、お会いする 度にお寺さんらしく成長されているお姿が嬉しかった。

 開式前に音響の確認をしてみると「音響とは何か」という部分で基本的なミスがあった。奥行きの広いご本堂なのに4本のスピーカーすべてが前方まで出てきている。これを5メートル奥にセッティングするだけで環境空間がどれほど変化するか教えなければならない。

 数十メートルの配線はうまくセッティングされていたが、スピーカーの方向、高さの変更だけで、耳にされる側にどれほど「さわやか」イメージがアップするかも学んで欲しいもの。それによって司会のコメントまで変えることになるからだ。

空気を読む、それは会場空間という世界で仕事をする立場にあって最も大切で基本的なこと。せっかく素晴らしい音響設備をん持ち込んでも、その場に応じた的確な微調整が必要だ。時間があれば、スタッフにそんな体感教育をしなければとも考えている。

 さて、前々号で書いた追悼文創作の依頼だが、仕事の現場から戻ると同時にご本人が来社された。

 30数年前の青春時代、そこで仲間の1人が自らの死を選んだ。同窓生の集まりで彼のことを偲びたいということから当時の思い出を拝聴したら、想像以上に悲しみが強く、感受性と相俟って「失礼」と言われて涙を流された。

 今月中に追悼の言葉か詩の創作をしなければならないが、彼の澄んだ涙に秘められた想いは深く、男の美学をキーワードにと提案しておいた。

 今日の結びは東京の塾生のブログ「若葉のささやき」のエントリー紹介。10月17日号に彼女のやさしさが輝いていた。ご笑覧は、弊社のリンク集のページからどうぞ。
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