2007-05-14

ちょっとハードですが  NO 1861


  お通夜で演奏された「献笛」だが、今日の葬儀でも30名ぐらいの方々の素晴らしい音色が式場に流れた。奏者の中に女性の方もおられる。多くの流派が存在す る中で、尺八道と称されるように「道」があるのはこの流派だけ、そんなところからかもしれないが、これまでに担当させていただいたことのある尺八の音色と は異なる別格の響きがあったように感じた。

 故人が演奏されたテープの存在もあり、拝聴しただきながら「偲ぶひととき」に入ってナレーションを進めたが、洋画がお好きだったことにも併せ、途中から有名な映画のひとこまを思い出される音楽を活用した。

 やがて、ご出棺。ロングボディーのリンカーンの霊柩車を先導し、ハイヤーの後方に3台のマイクロバスを伴って高速道路を走行したが、日曜日ということから渋滞もなくスムーズに流れてくれ、予定通りのスケジュールで進められることになったホッとした。

 戻ってから遅めの昼食をと思っていたら、仕事が重なりスタッフが足りない状況、そこで心配になって式場に運び、メモリアル・ボードのお写真を独りでセッティングすることに。

 ご親戚の方が撮影されたというお写真がどれも故人のお人柄を物語るような素晴らしいもの。その中に犬を抱かれたものが2枚あり、今日は「愛犬の日」ということを思い出し、ちょっとお通夜でのコメントに使わせていただいた。

 今日の大阪の日中は蒸し暑い感じがした。お通夜が行われる式場内も参列者が多いと室内温度が上がりそう。そこで開式1時間前から6台のエアコンをフル回転、上着を脱がれると寒いぐらいの状態にしてお客様を向かえた。

そ んな中、「大変です!」と担当責任者から予想外の報告が。導師をお務めくださるご住職が式場を勘違いされ本社に行かれたそう。そこでスタッフが案内をして 西館に向かったとのことだったが時間に余裕があったので問題はなく、打ち合わせ時に「思い込み」という原因が判明することに。

 お葬式に ハプニングは付きもの。それもご家族や参列者の皆さんには思い出としてインプットされるもの。そんなハプニングを集約して出版したら、電話帳ぐらいの厚さ になるぐらいはあるだろう。過去に「お葬式はハプニングにのって」という小説を出版したが、未だに問い合わせがある一方で驚きなのがネットでのオークショ ン、信じられない金額提示に腰を抜かすぐらいの衝撃を受けた。

 明日の朝からナレーションの創作をするが、その前に資料作りの下調べを。 故人がこの世に生を享けらた年を確認したら<!!>という事実があった。第一回国勢調査が行われた年で、当時の人口は5596万人。箱根駅伝とメーデーが 始まった年でもあり、市電が8銭、理髪料金が30銭という物価の中、登場しつつあった電話の設置費用が3450円とは驚きである。

その年 に流行した曲に「ゴンドラの歌」と「叱られて」があった。あれから享年で88年間の人生を過ごされたお方。やさしくて笑顔が印象に残っているお爺ちゃん だったが、奥様のご葬儀を担当申し上げたご仏縁もあり、お元気な頃にお会いした際「あんたも年をとったなあ」と仰られたことを昨日のように憶えている。

 人生とは出会いの集大成、そのすべてに「ご仏縁」という事実が存在しているのである。
久世栄三郎の独り言(携帯版)
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