2015-06-14
体験談から NO 4220
http://happy-train.net/久し振りにシーン「会長のブログ」を更新しておいたのでご笑覧を。過日に横浜で開催されていた「フューネラル・ビジネス・フェア」に函館の「清雅舎」が出展され、その写真が「清雅舎」HPの「凾館便り」に掲載されていたのを紹介した。
さて、今日の毎日新聞の朝刊に幾つかの川柳が掲載されていた。その中に「抜けるのは毛と歯と気力そして腰」という秀逸な作品があった。
お釈迦さんが説かれた「生・老・病・死」の中で、齢を重ねて行くとはっきりと感じるもので、ある日の食事中に異物が入っているように感じたら、自分の歯の一部だったので衝撃を受けたことがある。
まあ、これまでに10回の病気で転院を含めると12の病院に入院した体験があるので、こうしてコラムやブログを打ち込むことが出来るし、杖を手に歩けるだけでも有り難いことだと手を合わす。
人生を振り返った体験談の中で、ご笑覧くださった方々に少しでも役立てばと思っているが、今日はそんな一つを紹介しよう。
随分昔のことだが、ある地方の大手葬儀社の社長からスタッフ教育を依頼されて訪問した時のことである。
受講するのは幹部社員12名で、会場は小ホールとなっており、応接室でお茶と茶菓子をいただきながら社長と話し、中ホールと大ホールで今晩のお通夜のための設営が行われているということを聞いた。
講義が始まるのは午後2時からで、まだ30分あったので中ホールと大ホールを見学させて貰うことになって女性スタッフの方が案内してくれた。
中ホールに入ると固定式になっている白木の祭壇を中心にした生花装飾の作業中で、まだご遺影が飾られていなかったところから担当スタッフの人に次のような質問をしてみた。
「故人は男性の方ですか? それとも女性の方ですか? 年齢は何歳の方ですか?」
それに対して返された言葉は「まだ資料が届いていませんので分かりません」と気にする風もなく仕事を続けていた。
そして大ホールに移動したらここでも男女のスタッフが立派な花祭壇を設営中で、同じ質問をしたら中ホールのスタッフと同じような言葉だった。
この大ホールで気になる行動を目にすることになった。設営する一人の男性スタッフが横に移動する時に足下にあった花の産地が書かれた段ボールケースを足で蹴って動かしたのからで、その箱の中には花が入っている状態である。
やがて小ホールで始まった幹部社員への講義だが、冒頭に指摘したのは上述のことで、故人が男性か女性かで設営する祭壇のイメージも変化する筈だし、年齢によってもデザインに影響するのではということと、故人がお好きであった花の確認情報を設営スタッフや司会者も共有する姿勢が重要で、仕事と作業の違いについて説明すると受講者の表情に変化が感じられた。
故人の祭壇を設営するにあたり、その花の入った段ボール箱を足蹴にするなんてプロにあるまじき行為。もしもご遺族がご覧になっていたら最悪だと指摘したら全員が暗い表情を見せていた。
序に提案したのがお別れ時の花の扱い。バスケットや黒盆などに入れる時にはこぼれ落ちるほど山積みにせず程々にし、もしも落としたどのように対処するかも質問してみた。
そんな基本が出来ていないことを指摘することから始めたスタッフ教育だったが、その日のテーマとなっていた「意識改革」につながったみたいで、受講者全員の感想文に感謝と衝撃というような内容が書かれていた。
今日の写真はその時に利用した新幹線「グランドひかり」を。