2006-03-05

変な夢?  NO 1445


 演出家として著名だった久世光彦氏が急逝された。執筆活動でも人気があり、新聞や雑誌のコラムも話題を呼んでいたし、一方で「久世塾」の存在も有名だった。

 認知度と内容では雲泥万里の差があるが、演出、コラム、塾と、同姓で何やら同じようなことをやっていた私、そんな不思議なご仏縁に手を合わせた。

 内緒話だが、これまで友人達と飲みに行った場で何度か人違いをされたことがあった。コラムや塾の話題に花を咲かせていると勝手な「勘違い」が発生、何と言っても珍しい部類に入る同姓がそうさせたのだろうが、結構多かった出来事である。

 久世光彦氏とは同じ亥年生まれだが、一回り違って70歳、生きられた証しにも立派なご功績が多く、その逝去を惜しまれる声が強いが、ふと<自分が死を迎えたら?>なんて思いを抱いてしまった。

 大阪の言葉で「ええ人やったなあ」というのがあるが、人生は惜しまれてこの世を去る美学も大切だろう。弔辞の中で生前を褒め称え過ぎ、参列者が苦笑する光景を体験したことがあるが、その人の美学を語ってくれる弔辞が最高であると知って欲しいもの。

 この世に生まれて過ごす人生、その終焉で人を悲しませることになるのも世の常、それを送る涙の色に様々あることも学びたい。そこでカーテンコールの拍手があっても良い筈。壮絶な闘病生活と看護に対するものでも値するだろう。

 拍手で思い出したが、今朝方におかしな夢を見た。搭乗した日本航空の飛行機の出発が遅れ、乗客達が騒ぎ出している。遅れの原因は自民党の大物政治家の到着を待っているから。「公用ですのでご理解を」とアナウンスをしているが治まらず、機内が騒然となった。

  そこで前席に居た私がマイクを持った。「ご家族が危篤という方もあるでしょう。大切な人の通夜や葬儀に参列という方もあるでしょう。また、重要な仕事で責 務を負った方も観光旅行の方もいらっしゃるでしょう。そんな私達は平等で運命共同体みたいな関係、それこそ不思議なご仏縁と言えるでしょう。そこで政治家 の遅れでこんな騒ぎになるとは情けない話、一番悪いのは説得の出来ない航空会社のスタッフ、2番目は政治家でしょう」

 そこまで言った時、皆さんが自席に戻られ落ち着かれ、SPを伴った政治家が入って来たが、入り口で騒ぎが治まるのを待っていたみたい。

「公務は理解出来る。しかし、迷惑に対して謝罪を」と本人に言うと、その政治家がマイクを手に喋り出した。

「皆さん、大変なご迷惑を掛けたようで申し訳ございません。皆様それぞれが大切な目的のために搭乗されているのに、貴重な時間を消費してしまいました。衷心よりお詫び申し上げます。今回の公務は我が国にとって」

 というところで遮った私、「もういいですね?今は時間を優先いたしましょう」と提案、互いの気まずい思いを払拭させるために次のように言った。

「この出来事を土産話にいたしましょう。運命共同体の出発です。安全な飛行を機長とスタッフに願って「しっかり、頼みまっせぇ!とエールを送りましょう。は~い、拍手を」

 そこで機内に盛大な拍手が。何で大阪弁になったのかは分からないが、客室乗務員が揃って乗客に頭を下げ、飛行機が動き出したところで目が覚めた。果たして行き先は何処だったのか、そして、その政治家が誰だったのかを思い出せないでいる。
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