2003-05-26

ジャンボの機内で     NO 441

千歳空港でジャガバタを食しながらサッポロビールを飲み、北海道らしいひとときを過ごし大阪行きの日本航空に乗ったのが18時20分。

 席に座り新聞を読み出した頃、変な気分になってきた。

 窓の外を見ると機体は停止したままなのに揺れている。何か重量物を飛行機に積み込んでいるような揺れがする。

「何か気分が悪くなってきた。何っ?これ?」そんな言葉が数人から出る。それからしばらく飛行機は停止したまま。10分ほどしてアナウンスがあり、「地震のため滑走路の安全確認をいたしております」ということでヘッドホンをラジオのチャンネルに合わせた。

 地震が発生したのは18時24分とのこと。空港でも震度4ぐらいはあったようで、1分以上も気持ちの悪い揺れを体験した。

 一昨年前の春、芸予地震の時には山陽道の広島付近を走行中で、一瞬ハンドルを取られて驚いたが、最近、どうも旅先で地震に遭遇することが多い。

 さて、往復に日本航空を利用したが、私は日航機内のチーフパーサーのアナウンスが嫌いである。そんなめぐり合わせになっているのかも知れないが、いつも「主」の「驕り」というようなイメージを抱く喋り方で冷たさを感じる。

 しかし、数年前、パリから成田へ搭乗した時のチーフパーサーは素晴らしい女性だった。VIPの搭乗が遅れているということで何度もお詫びのアナウンスをされていたが、この人の口調には<遅れてもいいよ>というような心情を抱くほどだった。

 やがて搭乗してきたVIPが、金髪の女性を伴って私のすぐ前の席に座られる。そこから約12時間、彼女が担当していた仕事の気遣いが気の毒に思うぐらい。食事のデザートの時には声を嗄らし「変な声で申し訳ございません」と詫びておられた姿が印象に残っている。

 このVIPという人物は、アフリカの象牙海岸で有名な国の首相で、軍服姿の十数人を伴って登場されており、客室乗務員の神経の遣い方に哀れみを感じていたのだが、その「お零れ」で私も随分と得をしたような機上時間となった。

 成田空港に到着した時、彼女が私の席にやって来られ、次のように言われた。

 「長時間お疲れ様でした。特別なお客様をお迎えする態勢が整うまでしばらく時間を要します。久世様は、どうぞ先にご案内いたします」

 促されて機外に出て通路を進むと50人ぐらいの人達が整列している。その前を場違いな私が歩いている。恥ずかしい気持ちになり、ふと後ろを振り返ると彼女の素晴らしい笑顔が見送ってくれていた。

 あんなチーフパーサーは、きっと日本航空の「人<財>」だろう。だからVIPの搭乗される便を担当されていたのかも知れない。

 往復とも彼女とは雲泥の差を感じるレベルであった。それが国際と国内の際であるかも知れないが、日航さん、最近、ちょっとミスキャスティングが多いように感じています。
久世栄三郎の独り言(携帯版)
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