2004-05-23

事前相談から   NO 800

ご入院されていた方とお会いした。昨日に退院されたそうだが、酸素ボンベを積んだカートを手にされている。

 「これからは、自宅療養だ。今度ばかりは、君のお世話に?と覚悟をしたよ」とおっしゃられたが、お元気そうな表情でホッとした。

 お話の中に頼まれ事が。退屈が想像できる療養生活、そこでパソコンに取り組みたいとのこと。「パソコンだったら、弊社の女性スタッフをいつでも派遣しますよ」と約束申し上げた。

 ワードに文字を打つことと、ネットを開けることしか出来ないパソコン「オンチ」の私。しかし、昨日書いたように「独り言」発信の認知が高まり、パソコンに長けているとの誤解が生じ、こんなところにも「独り歩き」の弊害が。

 一方で、大きな手術をされるという方からお電話を頂戴した。その内容も頼まれ事。2人のスタッフが病室に参上すると、それは葬儀の事前相談であった。

 「この人、言い出したら聞かないの。あなた達が来てくれなかったら手術を受けないと言うの。子供みたいでしょう。お忙しいのにごめんなさいね」

 いかにも申し訳なさそうに、そう言われたのは付き添われていたご伴侶だが、帰り際の廊下で拝聴した手術の内容が信じられないほど軽度のもので、看護師さん達が笑っていたと言う。

 そんな報告をした担当スタッフだが、「とても素晴らしいご夫婦でした」との感想で、社内に明るい雰囲気が生まれることに。

 病室を訪問する際には気を遣う。「行くべきか? 行かないべきか?」と迷うことも当然だが、私服に着替えるのは常識。服装と化粧をチェックし、お見舞いの品を考慮するのも真剣だ。

 こんなケースの事前相談だが、個室が条件となるのは当たり前。相部屋やロビーで進める話ではない。電話を頂戴した時、そんな確認も大切なこと。

 今回は、そんな事情で明るく話し合う結果となったが、これが余命幾許もないというケースでは大変だ。

私的な考えで恐縮だが、こんな場合、担当される医療従事者とのコミュニケーションも重要だと思う。

 葬儀というものに伴う家族の悲嘆。それは、ご終焉を迎える前から始まっている。必然として行われることになる葬儀、ご本人がその部分に対して安堵感を抱かれることは、周囲の方々にとっても救いとなるのではと考えている。

 弊社が加盟する日本トータライフ協会、メンバー達は、そんなことを真剣に研鑽している。
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