2013-01-18

日本の文化  NO 3169


  産経新聞の夕刊の夕焼けエッセイに大阪特有の言葉表現について書かれていた。「行けたら行くわ」の言葉の90パーセントに「行かない」思いが秘められてい るというものだが、大阪生まれで大阪育ちの方が、つい最近までその意味を誤解されていたと体験話として触れられていた。

 そんな大阪だが、不名誉なことでランクインしていた。世界で空気汚染を指摘する第16位に登場し、それは我が日本の国内ではトップだったので衝撃を受けた。

 因みに世界第1位はインドのルディアナで、大阪の10倍以上も汚染数値が高いという分析に驚いたが、第2位が北京と思いきやさにあらず、同じ中国の蘭州となっていた。

 地球環境を大切にして曾孫や玄孫の時代につなげたいものだが、人類がパンドラの箱のような放射能に手を染めてしまったことも恐ろしく、何か画期的な解決策が見つからないのだろうかと願ってしまう。

 暗いテーマを離れるにはユーモアの世界に気分転換させるに限るが、営業マン川柳に共感を覚える名作があった。

「またおいで 本気にしたら また来たの」という作品は冒頭の「行けたら行くわ」に似ている内容でもあるが、こんな句を詠むセンスに心から拍手を贈りたくなって来る。

「無茶を言う 妻の要求 社長並み」「責めるなら 手本を示せ 我が上司」などの作者の捉え方が見事だが、この時期の恒例になっている「メリーチョコレート」のバレンタイン川柳の優秀作も発表されていた。

「カ カオ100 無糖派層に 効果あり」「有望な 第三極に 渡すチョコ」など名作だが、過去の年度作品を開けたら「この頃は 義理チョコさえも レアアー ス」「仕分けたが 名を変え復活 義理チョコ費」「義理チョコの ばらまき政策 批判され」なんて思わず「座布団一枚」と思う句があった。

 宮中の歌会が中継されていたが、独特の読み方に驚いていると、昨夜のBSで再放送されていた京都の「冷泉家」の伝承文化を観ながら、冷泉流の独特の節回しを拝聴することで遠い昔の時代に引き込まれる思いがした。

 昨秋に北海道に出掛けたが、その際に函館で夕食をご一緒させていただいたご高齢の女性が詠まれた作品をまとめられた冊子を拝見したが、同席されていた不思議なご仏縁のある女性のブログの中にその一首が掲載されていたので紹介を。

 それは最愛のお姉さまを亡くされた際のお悲しみを詠まれたものだが、ご悲嘆が伝わって来るものだった。

「次の世も はらからとして 生まれたし 優しき姉の 恋ふるこの世も」

 彼女は悲しい時に歌が生まれるようなことを書かれていたが、ここで私の好きな言葉をしたためておこう。

「幸福は身体にとってはためになる。しかし、精神の力を発達させるのは悲しみだ」とは「ブル-スト」の言葉だし、「ロマン・ロラン」は次の言葉を残している。

「幸福とは魂の香りであり、歌う心の調和である。そして、魂の音楽の内で一番美しいのが慈愛である」
久世栄三郎の独り言(携帯版)
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