2006-11-29

真犯人は?  NO 1701


 左肩から左腕の痺れだが、過日のメールで教えていただいた先生の診察を受ける気になった。

 まずはネットで<どんな治療を?>と情報把握。そこで<!>を感じたキーワードが推理小説。「痛みの犯人探し」という治療コンセプトだった。

 電話を入れると幸いに都合のよい時間の予約が取れた。運動不足の解消を兼ね、自転車で法円坂まで走り、国立大阪病院に駐輪してから大阪城内を20分ほど歩いてみた。

 治療を受ける場所はそこから歩いて10分ほどの所、府庁の横を通って谷町筋に出て目的のビルへ到着。そこで紹介くださった方と待ち合わせ、予約時間の5分前に診察室に入った。

 問診票に書き込み、いよいよ診察。しばらくすると紹介者の方は帰られたが、まずは鏡の前に立たされて後方からチェックを受ける。

「少し腰を痛めていますね。原因はヒップの筋肉からです。それから腰の中心の骨がお腹の方へ曲がってしまっています。そうすることで身体を楽にさせようとする自然の行動なのですが、それが腰に負担を掛けているのです」

 そう言われ、まずは腰の治療から始まった。ベッドで横になってヒップのサイドを押さえられる。それは強烈な痛みを伴う。苦痛の表情をチェックされながら強弱調整、約15分ぐらいが費やされた。

 そこから問題の頚椎のチェックが始まった。上から順に下がっていく。3番と4番のところで左側に違和感を感じる部分があり、そこを強く押されたら痛みと共に気持ちがよいという複雑な状況を感じた。

 この間に様々な会話が交わされているが、時折に「**ではないな」「この部分は思ったより軽い」というような「独り言」が耳に入り、指先であちこちを押さえられながら「痛いです」「気持ちいいです」なんて返していた。

 おかしな比喩だが、それらは上述した消去法という犯人探しみたいで、時間の経過と共に真犯人が追い詰められてくるわけだ。

「こことこれです」と仰ったのは診察が始まってから約1時間後だった。左前と左後ろの両方の筋肉が炎症気味らしく、犯人を攻撃するために冷凍庫で冷やされた小さなアイスノンみたいなものを前後に貼られ、お腹の上にあたたかい電気マットが置かれた。

「何箇所も筋肉が萎縮してしまっています。それらを伸ばす治療が必要です。一部は伸ばしておきましたから、今日から15分ほど冷やすことを始めてください。週に一度の通院で結構です」と言われ、日常生活で気をつけなければならない指導を受けた。

  そこでベッドを降りたが、待合室に紹介者の方が子供さん連れで来られており、「先生、お世話になりました」と、お茶とお菓子をプレゼントされてびっくり。 それらは私の分まであり、「咽喉が渇いたでしょう」とペットボトルをいただき、「奥様にお土産を」と和菓子をいっぱい頂戴して恐縮。また重ね重ね、大きな 借りが生じた出来事となった。

 帰宅してからこの経緯を妻に話すと「あの方らしい!」「本当にやさしいお方。あなた幸せね」なんて感謝の言葉。続いて「早く治るといいのにね」と言っていた。

 今日も手を合わせることばかり。世の中には、本当に神様や仏様みたいな心の人がおられるのである。

久世栄三郎の独り言(携帯版)
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