2003-04-15

プロの奥義   NO 400

駄文の列記で400号となった。そんな記念に素晴らしいプロの存在について書いてみたい。

 私のブレーンの中に女性の音楽家がいる。私がプロデュースと司会を担当する葬儀では、彼女なくしてキャスティングが成り立たない。

 シナリオの細部に亘る打ち合わせでも、3時間も掛かる世界が10分ほどで済む。こんな便利で貴重な存在は日本中を探してもいないと思っている。

 本番前にどうしても挿入したい曲を思いつくこともあるが、それでも瞬時にレクイエムに編曲して見事に演奏してくれる。

 彼女の演奏は、会場空間を儀式空間に神変させる不思議なパワーがあり、体感された方々が「感動した」と言われる。

 私が彼女に対して何より安心感を抱いていることは、ハプニングに対する対応が完璧という実力を備えているからだ。

 それらは、弔辞のBGMでも多く感じる。思ったよりも短い方、長い方があるが、その両者に対して転調、編曲で調整してくれ、必ずエンディングで見事に合わせ、ご自席に着席される時まで引っ張ってくれる。

 曲の終盤を迎えてしまっても、エンディング部分を全く抵抗感が生まれないような手法で演奏を続け、そこで耳にする旋律は、作曲と言っても過言ではないだろう。

  私の人生で彼女との出会いは、神仏が結んでくださった「えにし」だと信じている。葬儀演出音楽で話題となったオリジナルCD「慈曲」の誕生は、彼女との出 逢いがなければ不可能であったし、私が発案して全国で流行しているオリジナル「奉儀」も、慈曲にある「愛惜の花達」が流れてこそ意義と雰囲気が倍加する。

 彼女は、今、アコーディオンに於けるインターネットの世界で超有名人。そんな彼女が私と一緒に葬儀音楽の仕事をしている。

 これまでに感じた思いの中で、「彼女は、葬儀の本義を知っている」という分析がある。儀式、礼節、悲しみ、癒しなど、私のシナリオで重視するポイントのすべてを理解してくれる素晴らしいパートナー。

 彼女の音楽に送られる故人は、不幸な空間会場で、きっと幸せなひとときを過ごされただろうと確信している。

 そんな彼女が体調を崩されたと耳にした。5月にはインドの音楽祭に招待されているとも伺っているが、仏教の聖地であるインドでの体験は、また新たな音楽を生み出す機会となるように思っている。

 彼女の名は、「高橋三鈴さん」

 どうか、お身体をご自愛いただき、これからも素晴らしい音楽で悲しみのご遺族を癒してくださるように願っています。
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