2003-02-04

愛の女神の旋律    NO 334

昨日書いたおじさんの葬儀を担当してきた。エンディングの挨拶のプロローグに「立春の 光纏いし 仏かな」という、昔に有名な俳句を使用させていただき、合掌をした。

 さて、過日、「NO 324 知らない曲」という独り言を書いた。

 故人の愛唱曲が昔の曲で、どこのレコードショップに行っても「廃盤」ということでどうにもならず、藁をもすがる思いで著名な女性音楽家に助けを求めた。

 彼女は何時間も費やされ、あちこちで情報収集のうえ、やっとその曲に出会ったということ。

 葬儀が行われる日の朝、自らが演奏された録音テープを届けてくださった。
 式次第の中で活用させていただいた彼女の曲、多くの参列者から感動のお声を頂戴した。

 私をはじめ、日本トータライフ協会のメンバー達では、彼女は「愛の女神」という存在の方。そんな方が大阪に在住されるということで、私はみんなから羨ましがられている。

 葬儀の式場で、彼女の演奏を耳にされた方の誰もが驚かれる。葬儀の終了後に精算に伺うと、必ずと言っていいほど音楽のことが話題になる。それほど素晴らしい感性が秘められていると言えるだろう。

 そんな彼女から、メールが届いていた。

 私は、それを拝見しながら涙を流し、心から反省をした。これは、私の浅慮が彼女の心に傷を与えたように思えてならず、反省よりも後悔をしている。

 「愛の女神」である彼女を崇拝する真情のどこかに、自身の驕りが生まれていたようだ。

 そんな思いを託し、彼女のメールを下記申し上げ、深謝の心情の一歩目とさせていただく。

『私 のような者を「独り言」に取り上げて頂き、大変恐縮しております。私ごときが申し上げるのは非常に僭越なのですが、音楽は「楽譜」ではないのです。楽譜が あって演奏出来るのは音楽家として当然のことです。しかし、ご葬儀の音楽に関わらせて頂く以上、私はどのようにしても、原曲を聴いてみることにしていま す。原曲の持つ「旋律」と「歌詞」があって初めて、その曲の意味が把握出来るのだと思っています。先日のリクエストも、何とか原曲を探し出し実際に聴いて みました。そこには、何故、故人様がこの曲がお好きで歌っておられたか・・という背景が見えて涙が出てきました。
 何か偉そうなことを書いてしまい、非常に申し訳ないのですが、私の考えを少しでもご理解いただけましたら幸いです。
 ここまでお読み頂き、誠に有り難うございました』

 仕事以外に何度かテレビ番組でもご一緒したことがある彼女。彼女が作曲と演奏をされた葬儀音楽「オリジナルCD 慈曲」が、読売テレビの「宗教の時間」で高尚に取り上げていただいたことは共通の誇り。

 今一度、その頃の原点を見つめ直さなければいけないと思っている。

 三鈴さん、ごめんなさい。これからも我が協会の女神として光り輝いてくださることを願っています。

 ※ 日本トータライフ協会のホームページに流れるすべての曲は、彼女がそのイメージに合わせて作曲され、自ら演奏いただいたもの。その「やさしさ」に触れていただければ幸甚です。
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