2004-04-16
閻魔さん NO 765
時間を見つけて車で出掛けた。行き先は「トイザラス」、誰もが知る玩具のスーパー。目的は孫に送るビデオ探しであった。
<よくもこれだけ!>という玩具の世界。子供連れの方も多いが、やはり爺ちゃん、婆ちゃんと呼ばれる人が大半。買い物をされる際の表情で、これほど平和を感じる世界はないだろうと思ってしまう。
要望されていたのは「シンデレラ」。あいにく品切れということで別バージョンとなってしまったが、ついでに「英語でペララ」「世界名作童話」を買い求め、外国人の友達を連れてきた時のことも想定し、「日本むかし話」と「新幹線」を入れることにした。
孫のいる地は、アメリカで最も治安の良いところと言われているが、国際情勢からは何が起きるか分からない時代。ただ身の安全だけを祈念する。
一昨日にお会いしたブラジルからのご夫婦、サンパウロからニューヨークに向かう際、信じられないほど厳しい検査があったそう。トランクの鍵を開けたまま搭乗する体制が取られ、ニューヨークの空港では、2回も荷物検査が行われたと伺った。
人間の知恵というものは凄いもの、大勢の人を乗せて高速で空を飛ぶなんて信じられない知恵。そんな飛行機が戦争で活用され、爆弾を投下したりするとは発明者は考えもしなかった筈。それが今、ハイジャックから突撃という悲劇にまで及んでしまった。
戦争と宗教は、確実に「人」を変えてしまう。<なぜ? どうして?>なんて思いは100年後も続いているだろうが、それは人間というものが持つ「愚かさ」であり、その背景には「弱さ」がある。
宗教の大半は「生き方」を説いたもの。自身が「生かされている」という立場を悟れば救われるが、あの世を信じない人がいる限り世界平和は難しい。
中東は、もはや水戸黄門では救えない。閻魔大王の登場しかないみたい。地獄、極楽思想では、閻魔大王は35日の担当裁判官。生前の行いをビデオのように映し出す鏡の存在もあるそうだ。だから嘘がつけない「舌を抜かれる」謂れになった。
故人を極楽に送り出したい私たち、葬儀の仕事は奥深い。49日が三月に跨ると忌み嫌われる満中陰。「始終苦が身憑き」なんて語呂合わせに左右されるなんて 情けない。イスラムのアラーの神に対抗するなら、間違いなく閻魔さん。それぐらいの知識と語学を持してイラクに行くべき。
あれっ? 支離滅裂で偉そうなことを書いてしまっている。ご海容を。
結びに、お通夜に行くと、ご親戚のご夫婦から女性スタッフがよいお話を拝聴していた。
「怒ることは自身に対して。叱ることは説諭。その納得と説得が大切なんだよ。昔のお通夜は夜通しだった。今は形式だけになってしまった。何かがおかしいよ」
「いい勉強をさせていただきました」と頭を下げた女性スタッフに、奥様が「おねえちゃん、幸せな家庭をね」と、やさしく声を掛けてくださっていた。