2016-11-19

10年前の今日  NO 5034

紅葉今日は前号の続きの再掲で、「10年前の独り言」を。

落ち葉を目にしながら  NO 1693    2006-11-19

<雨よ止んでくれ!>と祈りながら会社へ向かう。玄関で会った男性スタッフが恐ろしいことを言う。山の中腹の式場のことだが、朝から行っている担当責任者からもの凄い強風で大変、テント設営スタッフ達が数人でロープの補強をしているという報告だった。

過去ログに何度も書いたが、風は人の心を騒がしくさせ落ち着きを奪ってしまう。葬儀の場で最も歓迎したくない自然現象なのである。ご自宅のお庭の光景を思い浮かべながら「風よ吹かないで!」と手を会わせた。

スタッフの運転する車に同乗、今日は日曜日、渋滞が一切なくスムーズな流れ、予定より30分早く式場に到着した。

6人の女性スタッフがバタバタしている。雨と風に煽られるような雰囲気、「我々が落ち着かなくてどうするの?」と一人にアドバイス。そこからそれぞれがプロらしい動きに変わった。

故人のご遺志に則った葬送形式、何よりゆったりとした時間の流れを重視、ご自宅葬特有の人の流れの悪さを時間配分で対応、音楽、コメントなど全てに悠久的な時の流れをイメージさせた。

お別れ時、お孫さん達に「命の伝達」を行った。「お爺ちゃんに命を有り難う。命を大切にします。お婆ちゃんを大切にします」というひとときをセッティング、幼いお孫さん達それぞれがお別れの「かたち」を表してくれた。

火葬場までの随行を担当。同時間に入るお客様は少し前にご到着されたと報告があったが、そこから「御斎」の会場まで同行、お食事の前に僭越だが説教染みた言葉でコメントを。それからお食事に入ってから気になっていた問題について皆様にご報告。

「お耳だけ拝借」とお断り申し上げて話したことは迷信について。「奥様は火葬場まで送るべきではない」というお考えについて説明を。

「ご主人にとってどちらがお喜びになるかお考えください。この御斎の場にだけ奥様が来られるのはおかしいこと。<送りたかったのに!>と奥様が後悔されたらどうするのでしょうか。『どうして送った!』というご叱責に対して奥様は後悔されない筈」

そんなエラそうなことを申し上げたが、それを聞いていた会場の女性スタッフ達からが「勉強になりました」と感想が。

そこから次の予定で手配して貰ったハイヤーを待っていると、喪主様とご親戚の方が来られ、その方から「最高の葬儀を有り難う」というお言葉を頂戴して恐縮、何か疲れがドッと来たような思いを感じた。

憔悴された奥様のフォローを喪主さん達に託して戻って来たが、ご出棺前の喪主さんの謝辞が立派だった。それなくして今回の葬儀の意義はなかっただろう。担当責任者からは「代行で」と聞いたが、私は昨夜に奥様と内密に「喪主さんに謝辞を」ということで意見が一致していた。

「後はフォローしますから」と紹介申し上げて手渡したマイク、<頑張ってくださいよ!>と念じていたらご立派なご挨拶、それにつられて私のフォローも滅多にやらないバージョン、「人の死の本当は?」というお話しで締めくくった。

この「独り言」を打ち込む前に訪問した東京の塾生のブログ、そこに「たった一人の葬儀」という涙の物語があって感銘を受けた。「よくやったね」「よい仕事をしているね」と認定証を託した思いの実践に嬉しい心情。

一方で、別の塾生から昨日に体験した特別な葬儀の報告がメールにあったが、その見事な対応に拍手を送る。みんな体験の中で成長している。私も日々が勉強である。彼らに負けないように精進をしたい。

「晩」という文字が最も似合うのは「晩秋」だろう。それは「冬」を前にするからで、その先に「春」の存在があることを楽しみにありたいものである。

今日の写真は広島のピピの社長のブログから拝借した紅葉の一枚を。
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