2003-04-02

不思議な「えにし」   NO 389

昨日、ホテルを会場とする大規模な社葬「告別献花式」の設営を済ませ、シナリオのキャスティングによるリハーサルを行ってきた。

 日本トータライフ協会の若手達が見学を兼ねて応援に駆けつけてくれ、弊社のスタッフ達が喜んでいた。

 私は、後を任せて、北海道から来ていた若いメンバーを伴い先に帰社、その後、彼を伴って私の友人である料理屋で食事をしながらシナリオの最終チェックをやっていた。

 彼が在する北海道の地は、札幌からの学園都市線終着駅の中間ぐらいにある。終着駅である「新十津川」駅の話をしていると料理屋のオヤジが、言葉を挿んだ。

 「亡くなった母親が新十津川の出身で、懐かしいことです」

 これは奇遇。たったこれだけで会話が弾む。

 続いて社葬のスケジュールを2人で話していると、今度は、料理屋の奥さんが不思議そうな顔をしながら私に質問をしてきた。

 今日の社葬は、ある会社の会長さんの無宗教形式による献花式だが、会長さんのお名前の「姓」に興味をいだかれたようで、「ご出身地は?」と訊ねられた。

 プロデュースを始める前に確認していた情報を把握していたところから、その方が九州のご出身であることを伝え、ご先祖のお墓があると伺った地名を言うと、奥さんの顔色が変わった。そして、オヤジと顔を見合わせている。

 やがて奥さんが話し始めたことを耳にして、我々2人が驚愕することになった。

 彼女は、次のように言った。

 「祖母の旧姓が同じで、その町で暮らしていた時代があるのです」

 詳しく伺ってみると、どうやら遠縁にあたることが確実のようで、驚くような不思議な「えにし」の結びを知ることになった。

 この原稿は、ホテルで発信している。

スタッフ達は、朝早くからホテルに到着していたが、四国、九州の若いメンバーや、神戸のメンバー企業の社長も来られ、みんなが真剣にフォローしてくれる姿に感謝した。

 これからリハーサルの仕上げに取り掛かるが、今日は「司会」というよりも「司式」というイメージが重要。礼節、厳粛、重厚、意義、儀式などの言葉が頭の中に絡まり、整理をしながらシナリオを完成させた。

 もうすぐ本番の時間。会場には多くのお客様が参列されている。いよいよ私の心の中に構築した「舞台」の緞帳を上げなければならない時の訪れだ。

 参列される皆様とご一緒に、会長様の偉大な人生をお偲び申し上げながら、90分間の厳粛な儀式空間の一角に立つ。
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