2002-03-14

情 報・・・・「社葬・・急変時代」

昨日のテーマは「ホテル葬」。今日は、そのフォローとして、社葬に於ける社会変化の背景を考えてみた。
 最近、社葬告知の新聞「黒枠広告」が減少傾向にある。これは、社会不況に要因があるように見えるが、決してそうではない。

  新聞の社会面にある黒線の付いた著名人の訃報記事、この中でも大きな変化が見て取れる。「葬儀はすでに終わった」というような事後報告や、「近親者だけで 行われる」また、「葬儀は故人の遺志により行わない」「何れ<偲ぶ会>か<お別れ会>を行う」など、数年前には見られなかった表記が多くなってきているこ とに気付かれるだろう。

 黒枠告知の減少は、社葬の意識改革が始まったことからと分析している。大半と言われる「義理的会葬者」の割愛、 不特定多数の参列に対する抵抗感など、無駄な経費の削減という合理的な発想が生まれてきており、社葬の企画ひとつで、その企業イメージの将来に大きな影響 を与える危険性も秘めている。

 暑い夏の時期、1千枚以上の社葬通知状を全国へ郵送された後、式場の変更を余儀なくされるという事件が発 生した。その社葬は、大規模寺院を式場として拝借する形式であったが、通知状が配達されてしばらくした頃、有力な得意先2社から電話があり、どちらも「こ の暑さを考えたら体調が心配だ。弊社の社長は参列されない」と言われたのである。

 仕入先からこんなクレーム的な電話は入らないだろう が、得意先は力関係から、こんな圧力行動をされることも事実だ。しかし、その得意先の忠告的な意見は、決して2社側だけの心情による行為ではなく、ホテル 葬を体験された方々が多いビジネス社会で、「御社はご存じないのか」という意味も伝えられていたのである。

 その社葬は、ホテルを式場とする決定がくだされ、受注されていた業者さんをキャンセルされ、弊社が急遽担当させていただくことになったが、ビジネス社会に於ける「ホテル葬」の浸透性を改めて知るところとなった。

  また、これも夏の出来事であったが、ホテル葬を決定され、弔辞のご依頼に上京された社長が帰社され、「ホテルを式場としていて助かった」とおっしゃられた ことがあった。「こんな暑い時期に弔辞を読む心情を考えてください。お付き合いが長く、心から弔辞をさせていただきたいが、外で参列されている会葬者のこ とを考慮すると、難しい」と言われたとき「式場はホテルです」とお話しをされたら「それだったら喜んで引き受けます」とまとまったそうである。

 新聞社さんや広告代理店の皆様にお叱りを受けるだろうが、今後、新聞の黒枠広告は間違いなく減少すると確信している。なぜなら、現在のホテル社葬の形式にも変化が見られ、完全な招待形式が主流となってくる兆しがあるからだ。 

  現在、各地で行われている「社葬」、そこには大変な「無駄」があることを理解されるべきだろう。勝手な思い込みで終止してしまっている現況と、葬祭業者 ベースの企画で進んでしまう危険性。これからの社葬は、企業の企画力が判断されてしまう時代に突入し、膨大な経費をかけながら「嘲笑」されることだけは避 けたいところだ。

 しかし、現在行われているホテル社葬に、致命的な「欠陥」が秘められていることを知っておきたい。それをお気付きにな られたら、これまでにそんなホテル葬を行われた企業の怒りが、ホテルに向けられることは必然で、この問題については今月中に提議させていただこうと思って います。
久世栄三郎の独り言(携帯版)
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