2006-04-27

偶然に手を合わせ  NO 1488


 クローズアップ現代を観ようとテレビを点けたら、出てきた画面が「魔法のレストラン」という番組、そこにアップで登場している女性にびっくり、ご主人の葬儀を担当させていただいた時の喪主さんだった。

 JR環状線と近鉄線が交差する鶴橋駅周辺は、焼肉のお店が多いので全国的に有名だが、そんな中で毎日行列が出来る店として紹介され、ご苦労されたご夫妻の波乱万丈の物語を放映していた。

  このご主人の葬儀には様々な思い出があり忘れられないハプニングもあった。プロの映像カメラマンに鶴橋駅の映像からご自宅、仕事場、各店舗の撮影を依頼 し、お通夜に間に合うようにドラマを制作しようと考えたのだが、本番で音楽に合わせてナレーションを始めたのに90インチの画像が停止したまま。お陰でア ドリブで10分ほどつないだ綱渡りが起きたからだ。

 次の日の葬儀、そこで編集をやり直したもので新しいナレーションを行ったが、これをご覧になられたお寺様が感動くださり、「わしの葬儀の時にも頼む」と制作依頼を頂戴していた。

 今日のテレビの中にも登場していたが、仕事場に貼り付けられてあったこだわりの「お言葉」が印象的で、私の絵コンテの中にも入れていた。

 お悲しみを乗り越えられてお店を切り盛りされる奥様の姿、その背景からご主人の「有り難う、頑張って!」というお言葉が聞こえてきたような気がして、ますますご隆盛の趣に安堵した偶然の出来事だった。

 さて、中国の歴史で「明」の時代に存在した「洪自誠」が著した「菜根譚(菜恨譚)」を愛読されている人が少なくないが、今日会った方もそのお一人、私が手術してきた事実を知られて次の言葉を教えてくださった。

『老来の疾病は、すべて是れ壮時に招きし的(もの)。衰後の罪蘖(ざいげつ)は、すべて是れ盛時に作せし的(もの)。故に盈(えい)を持ち、満を履(ふ)むは、君子尤もきょうきょうたり』

  歳を重ねてから出て来る病気は、すべて若い頃の不摂生の報い。衰退してからの躓きは、自身が昔に蒔いた種が原因。だから君子と称される人物は、好調時に行 動や言動を自重しながら振舞うべきというような教えで、君子から程遠い我々凡人にも分かり易い言葉で説いてくださった。

 担当医師からも同じようなことを言われていた。今回の入院で学んだことのひとつに「血管年齢」が重要なことがあり、それは間違いなく寿命に大きな影響を及ぼす要因であると確信した。

 血管の弾力性、そして、そこに流れる血液の状態がその人の寿命を決定するそうで、そこにすべての病気の原因があるみたい。

 皆様も、ご自身の血管年齢を確認されるべきですねと謹んでお勧め申し上げます。
久世栄三郎の独り言(携帯版)
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