最新 最古
2003-10-30

籤 運     NO 590

日頃にお世話になっている知人主催のゴルフコンペ、料理のプロと著名なプロデューサーを伴って3人で参加したが、16組というコンペの会場に到着して固まってしまった。

 受付で頂戴したラウンドメンバー表、もう一人の同伴競技者に主催者ご本人である女性が入っている。これは、1組目スタートという慣例からだが、上述の2人も同じ思いで、3人共、体験したことのない緊張感に襲われた。

 やがてスタート。彼女の華麗なスウィング、プロデューサーが「白鳥の湖みたい」と称賛するが、足を引っ張ってしまう我々3人。肌理細やかな気配りと心配りをされる彼女のスコアを、気の毒なほど乱してしまった。

 しかし、ユニークなキャディさんのお陰で抱腹絶倒するような出来事が何度かあり、それらは休憩時間の食事中、この日の青空に吹くさわやかな秋風に流されるように緊張が解れてくれた。

 それで我々3人のスコアが向上するほどゴルフは簡単ではない。後半に素晴らしいラウンド成績を残されたのは、彼女だけ。

 会場を移して行われた成績発表会。我々3人の席は、なんとメインテーブル。悲惨な3人の成績が恥ずかしく、囲む鍋料理の温かさに反して心寒い思いに包まれる。

 さて、成績発表だが、この日のハンデはダブルペリア。舞台上に置かれた豪華な賞品に参加者の視線が集中する。

 賞品は、参加者全員に用意されているとのこと。3人の中で最も成績の悪かったプロデューサーが冒頭の紹介で呼ばれ、主催者が厳選されたという素晴らしい食材を頂戴した。

 やがて、当日賞に進んだ時、隣に座っていた料理のプロの名前が呼ばれたが、その賞品を見て驚いた。なんと、DVDビデオではないか。

  「僕、籤運に強いのです。過去にテレビ2台に自転車3台を貰ったことがあるし、道具屋筋で買い物をして抽選すると、一番欲しかったものが当たったことがあ るのです。実は、大きな声で言えないのですが、一昨日、ビデオが壊れ、明日に買い換えようと思っていたところで、こんなラッキーなことはありません」
 
それを聞いた真向かいに座っているプロデューサー、「そんなラッキーなことが」と言いながらも、「そんな不公平な」という表情も見える。それから彼を慰めるのがどれだけ大変だったかは言うまでもない。

 因みに、私の賞品は1万円の商品券。ベストテンに入っていたのだから籤運は悪くないかも知れないが、DVDビデオが当たった彼の喜びの顔が嬉しく、楽しい思い出のコンペとなった。

 結びに、抱腹絶倒のキャディさん事件のひとつを紹介申し上げる。

 プロデューサーの放ったティーショット。その時、キャディさんが次のように言われた。

 「お客様、私、ティーが飛んだのしか見えなかったのです。あんなにティーが飛んだの
を初めて見ました。ところで、ボールは何処へ行ったのでしょうか?」

 足腰が痛く、手の指に出来た数ヶ所のマメが痛々しいが、運動不足の自身を改めて認識しながらも、今年になって初めて熟睡した日でもあった。
主催者さんとキャディさんに・・・感謝・・・合掌
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