2013-04-19
思い出したこと NO 3259
いつどこで災難に出遭うかもしれない。故に今日あることに感謝をということを昨号で書いたが、ボストンマラソンで被害者となった方々には想像もしなかった 出来事。国家の威信をかけて捜査をして犯罪者を裁きにとオバマ大統領が演説されていたが、今日のニュースでは急展開があったようで、現地では住民がさぞか し混乱しているだろうと思える。
それにしても監視カメラの存在は凄いものである。防犯を目的に設置され、ロンドンなどではプライバシーという問題で物議を醸しているが、今回のようなケースではそのパワーを発揮したようだが、この事実を知ったことから犯罪が減少すれば結構なことである。
銃社会として知られるアメリカだが、銃規制に関する法整備が否決されたニュースもあった。我が国では考えられないことだが、ライフル協会という組織団体の圧力は想像以上に強烈のようである。
有名な映画俳優である「チャールトン・ヘストン」氏が会長を務めていたという情報もあったが、幼い子供達が被害に遭った家族の心情を考えると理解し難い結 果であり、大統領が残念そうに嘆いていたニュース映像を見ながら、アメリカという国家に溶け込んでしまった「銃」の問題の難しさを改めて知ることになっ た。
想像して欲しいのは被害に遭った人達の葬儀の光景である。そこに参列された全ての方々が「銃」から生まれた悲劇を目撃した筈だが、社会という背景に経済を優先させる政治の現実もあるようで、寂しくて悲しい歴史がこれからも繰り返されることになるので残念である。
さて、熊本県の水俣で発生した「水俣病」の訴訟のニュースがあった。患者として認められないままこの世を去られた人達も少なくないようだが、ある社会学者 が「三重の人災」だと指摘していた。会社、自治体、国家のトリプルということだが、苦しまれて亡くなった人達のことを考えるとお気の毒では済まされない思 いを抱きながら、中国の大気汚染、水質汚染、土壌汚染の問題も思い浮かぶ。
自然を汚染させてしまう人間の行動とは恐ろしいもの。「金子みすゞさん」の詩ではないが、海の中の魚達の苦しみも考えたいものだ。
縁あって、水俣の「湯の児温泉」に何度か行ったことがある。初めて行ったのは36年前のことだが、木造二階建てだった旅館のサービスが素晴らしく、それからも何度も行くことがあった。
子供がまだ幼かった頃だが、子供用の浴衣を用意していた女将さんの配慮が嬉しく、魚料理がいっぱい出たことを憶えている。
もう、その旅館も廃業されたし、その後に宿泊した別の旅館の経営者も変わってしまった。栄枯盛衰、諸行無常という言葉もあるが、世の中は常に流れていることだけは確かなようでも、よい思い出があることは有り難いことである。