2004-05-26

涙葬送   NO 803

『死というものは前からやって来るものではなく、突然に後ろから襲って来るもの』

 そんな「謂れ」を何度か書いたが、こんなケースの葬儀は本当に辛いもの。今日、私が担当してきた葬儀も、まさにそんなご急逝のお方だった。

 葬儀終了時の喪主さんの謝辞、お言葉が詰まるのも当然。「本当に眠っているみたいな表情なのです。後で別れをお願いします」とおっしゃられたが、多くの方がお別れの花を納められたのが印象的だった。

 奥様に先立たれてご主人が残られる。これからの生活が何より心配。子供さんやお孫さんが近くに住まれていたら救いがあるが、核家族の社会状況や、娘さんが嫁がれて姓が変わると難しいことも。

 印鑑は? 通帳は? 保険証は? そんな「?」が次々に。

 洗濯は? 食事は?「外食ばかりじゃダメよ」と、子供や親戚の方から言われる光景も何度か見たが、男性は独りになると「弱いもの」というより改めて「弱さ」を感じるもの。

部屋から家具に至るまで、伴侶の思い出がいっぱい詰まった空間の中。そこで生じる事後処理や手続き。七日毎に行われる法要の準備に追われることも大きな救いでは。

 ある宗教学の書物、そこに仏教の中陰期間がもたらす「癒し」の効果が採り上げられていた。

 最近、社会現象として「うつ病」のことが騒がれているが、専門家によると「励まし」なんてマイナス効果だそう。

 葬儀で生じる悲嘆、そこでも同じことが言えるだろうが、生前の思い出話が「妙薬」であることは事実。共に悲しみ、それを共有する配慮が何よりのケア。

 過去に書いた「悲嘆心理」の中の「思慕」。その重要性に気付いて活用したいもの。

 そんなことを真剣に討議する日本トータライフ協会の研修会、そこでのやりとりが楽しみだ。

 さて、弊社企画室のスタッフに聞いた話だが、近々に「号外」が発信されるという。ここで内容に触れることは出来ないが、ホテル関係者に注目されそうなこと。

 ご訪問くださるホテル関係者の皆様、どうぞお楽しみにお待ちくださいませ。

 夕方から微熱が出てきた。明日の葬儀が大変そう。
久世栄三郎の独り言(携帯版)
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