2004-10-28

こんな葬儀も?  NO 957


 今日の号を書く前に、まずは奇跡的に救出された赤ちゃんの回復を祈念しながら、医療関係者の万全のお力添えを願い上げ、死亡が確認されたお姉ちゃんの冥福を祈る。

 そして、避難されている方々のお身体を案じ、余震が起きないようにと手を合わす。<お姉ちゃん、寂しいけど、もうちょっとだけ待ってね。救助隊の皆さんも大変で、寒いだろうけどごめんね>・・・辛いですね。

 3日前、事務所に新しいパソコンが届けられたが、まだ接続されていない。画像処理の専用となる機材だが、本業に追われて時間の余裕がないので仕方がない。

 満中陰、一周忌、三回忌のお手伝いなどが多く重なり、スタッフ達にもお疲れモード。社内で最高齢の私、いよいよ初老の疲れを感じ、今夜出席しなければならないホテルイベントに代行者を送る。

 大阪と上海の友好都市提携30周年記念イベント、和食と中華の食文化の交流に併せ、弘法大師ゆかりの「日中感動絵巻」が繰り広げられる。

 今日、私が司会を担当した葬儀も真言宗だったが、この一年を振り返れば「因」と「縁」を感じる出来事が少なくなかった。

 弊社のメモリアルサービス事務所が所在するのは大阪市生野区舎利寺2丁目、本社が在するのは舎利寺3丁目、「佛舎利」の言葉があるように、この「舎利寺」の地名にも葬祭業の「ゆかり」を感じている今日この頃。これからの人生、ちょっと仏道を歩みたいと考えている。

 ふと机の上に置かれたプリント、愚息が関係している団体の事務局から。「スピーチの勉強に来て下さい」とタイトルされ、<補足>の部分に次のように書かれてあった。

  『゛あがり゛の原因は個々人の心にその心を安定させるには、確固たる信念を持たなければなりません。その確固たる信念を持つには゛自然の摂理゛を勉強し、 【生かされている自分】を発見する事により、その感謝の気持ちが何者にも動じない確固たる信念を持つようになり、完全に゛あがり゛を克服することが出来ま す。スピーチ勉強だけでなく人生勉強に来て下さい。良い友達を作りに来て下さい』

 「生かされている自分」とはいい言葉、私が日頃によく言う表現。愚息に「勉強しろよ」と出席を促すが、果たして出席するのだろうか?

 今日のご葬儀、ご親戚代表の謝辞に感動した。故人の生まれた故郷の光景や、地元の古い伝説と苗字との係わりからの一代記。

<こんなナレーションが出来たら最高!>と、心の中で拍手した後、前代未聞のことをやることに。

 立派な人生を送られた方には過去、現在、未来があることを説明し、伺った見事な人生のカーテンコール、そしてご遺族への励ましの心を込め、会葬者の皆さんに拍手をお願いしてしまったのである。

 一瞬、式場内が固まったが、すぐに皆さんが拍手をされ、無事滞りなく葬儀を終えた。

 最も固まっていたのは弊社のスタッフ達、接待担当の女性達が「初めて体験しました。感動です」と言ってくれたが、参列された知人からも「葬儀って、これかもな? 納得したよ」という賛同の声も頂戴した。

 不可能なことだが、その良し悪し、故人のご感想を伺いたいと思っている。
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