2003-05-27
人生黄昏の夢 NO 442
遠方で行われた葬儀を終え、帰社した。
そんなところへ「明日の葬儀ですが、ご担当はいかがでしょうか?」とスタッフが言う。
事情を聴いてみると、故人は私の知り合いの女性。ご遺族からのご要望もあったそうだ。
彼女とは思い出がある。ある時、「久世さんは来世の存在を信じていますか?」と問われ、「信じなければ私の仕事は成り立たないでしょう」と返した。
彼女は『坂本竜馬』に帰依するというぐらい傾倒され、何度か議論を交わしたこともある。
入り口に坂本竜馬の大きな写真が張ってあったことも覚えているが、私が四国で手に入れた竜馬のテレホンカードをプレゼントした時の嬉しそうな表情が懐かしく甦ってくる。
一方で、スタッフ達の「疲れモード」を心配している。連日の仕事でかなりオーバーワークの状態。しかし彼らは次々に現場に飛び出して行く。悲しみのお客様のために。
そんな中、徹夜で設営を余儀なくされる仕事の予定が入っている。
梅雨の季節に行われる社葬、式場はホテルということで進められているが、参列者のご人数が2000名を超えることが予想され、物理的事情をどのようにクリアするべきかがプロデュースの入り口にあり、明日の葬儀を終えてから思案しようと考えている。
さて、話を昨日に戻すが、道央自動車道を走行する車中で、苫小牧市民斎場の沖本社長と交わした議論が面白かった。
テーマは、近い将来の葬儀のありかた。彼が抱いていた素晴らしいアイデアにちょっとアドバイスをしただけだが、話が進展し、誰もが賛同されるような新しい形式の葬儀が明日からでも可能という結論に達することになった。
これらは企業秘密であり、ここでの公開は適いませんが、本当に近い将来、日本トータライフ協会のメンバー達が実践するだろうし、この葬儀の形式が急速に社会で歓迎されていくように確信している。
果たして彼は、いつからそれを行動実践されるのだろうかが楽しみ。北の国から発信するあたたかい「癒し」のサービスが、桜前線を遡るように日本列島を下がってくる筈だ。
北海道でのスケジュールは、現在の私の体力では少しハードであったが、雄大な北の国を走った時間や、仕事の情熱に燃える若い人達との交流に実りを感じた行程であった。
北海道には何度も行ったが、いつも1泊。仕事ではなく、数日間、プライベートで行きたいという難しい夢があるが、人生黄昏に突入しつつあるようなこの頃。今回は、そんな思いが強く、一抹の寂しさを抱いて帰阪した。
ホテルにお越しくださった「室蘭市民斎場」の藤井専務、そして「株式会社 並川」の社長ご夫妻に、この場で衷心より感謝を申し上げる。