2016-03-02

季節は春なのに  NO 4783

特急 スーパー白鳥この数日の北海道の天候は大変だったようだ。台風並みの強風に猛吹雪のニュース映像に驚いたが、深いご仏縁に結ばれる人達が多いので心配していた。

昨秋に北海道に出掛けたが、帰阪する日の函館の天候は大変だった。爆弾低気圧の影響で横風だったら欠航になっていただろうし、水平飛行になるまでの飛行の揺れは最悪で、それこそ「降ろしてくれ」と叫びたい状況だった。

さて、葬儀という仕事は24時間体制である。この仕事に従事した頃に忘れられない体験をしたことを懐かしく思い出している。

夜間は事務所兼住居で生活をしていたが、妻に電話番を頼んで銭湯へ出掛け、「奥さんから早く戻ってと電話がありました」と女将さんから伝えられ、何度も急いで帰宅したこともあった。

深夜の病院へお迎えに行くことも多かったが、まだ転送電話も世の中に登場していない時代だったので今では考えられない不便な日々を過ごしていた。

そんな頃、妻の友人がやって来て「婦人科の病院へ行くのだけど一人で行くのが怖いから一緒に付き合って」と言われ、序に診察を受けて来るようにとなったのだが、病院から戻ったら大変なことが判明した。友人の方は何も問題なかったが、付き合った妻の方が「10日後に再検査」ということになり、想像もしていなかった不安に襲われることになったのである。

2人の子供は、まだ幼稚園も通っていない年齢。そんな幼子がいて妻に先立たれたら最悪どころかこの仕事の立場では様々な困難が生じる。友人に相談したら「もしも最悪のガンだったら余命半年だな」なんて言葉も聞き、その後の10日間は人生に於ける最悪の期間だった。

そして、再検査の日が訪れた。朝から病院へ出掛けていたが、今度は付き添いにこの顛末のきっかけとなった友人がいたが、彼女も不安でいっぱいと言って病院へ向かった。午前11時過ぎ、その彼女から電話があった。「何もなかって大丈夫だったから安心して」と聞いて安堵したが、再検査の診断をされた医師の診察に疑問を感じることになった。

「恐らく大丈夫だと思うのですが、念のために再検査を」と聞いていたらここまで心配することもなかっただろうし、言葉の配慮も大切だと考えさせられた出来事だった。

今、同じような境遇を迎えている。医院、民間大規模病院、大学病院と進んで想像もしなかったことを心配している。心配される病名に出て来たのが「100万人に一人」という難病。手術で何とかなるみたいだが、退院後に服用しなければならない薬の調整が簡単ではなく、強い副作用もあるそうなので困惑してしまう。

人の世の縁とは不思議なもの。その診療科のトップの先生がインターン時代にゴルフの手ほどきをして一緒に食事をしたことがある不思議に驚いたが、その人物が多くの医師や看護師さん達を引き連れて回診に来られるそうだ。

徹底的に検査をして欲しいと入院させることを決めたのは私だが、祈るのは検査結果で外れてくれること。昔の体験を思い出しながら答えの出る日を待っている。

今日の写真は函館駅で撮影した「特急 スーパー白鳥」だが、北海道新幹線が開業するとこの列車も引退する。この1年前に函館駅から青森駅まで利用したが、青函トンネル以外の揺れの激しさにはびっくりだった。
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