2003-06-06
ホテルマンの難題 NO 452
ある大規模ホテルのスタッフ教育を依頼され、研修を始める1時間ほど前、教育担当責任者と話し合った時、面白い現象があることを伝えた。
どんな組織にもミスを繰り返す人物が存在し、上司から何度も叱責や教育を受けても効果がないということが多いのである。
この人達に共通するところは、自身の性格を把握していない部分にあり、自分がミスをやらかす危険人物であることを認識させることから始めるべきとアドバイスした。
ホテル業界は、今、新たにスタッフ教育に力を入れているが、その背景に困った問題が生じている。
ホテルを利用する客の中に「ヤカラ」のような人物が増え、ホテル側のミスを追求する「粗探し」がひどくなっているそうで、多くのホテルがその対策に頭を悩ませているとのこと。
これらは葬儀の世界にも増え、ミスを発生させないような教育と共に、不幸にして起きてしまったミスへの対処も重要になってきている。
あるホテルマンがミスを起こし、ややこしい客にクレームをつけられている。すぐに上司が登場して謝罪の姿勢を見せたが、「謝罪慣れしている。そんなマニュアル的な謝罪では納得が出来ない。責任者を呼べ」とエスカレートさせる悪質なものもあった。
相手側の狙いは金品による解決。そんなタイプに誠心誠意の謝罪をしても効果はない。暴力団なら警察という存在があるが、暴力団ではない人物に増えてきているので困っている。
これらは男性ばかりではない、女性の場合も少なくなく、こんなトラブルに巻き込まれたホテルマン達に、サービス提供への意欲が急激にダウンしてしまう影響が及ぶ。
人間のすること、そこには不可抗力のようなミスもあるだろう。それらを叱責する時にその人格がすべて曝け出されるもの。この見分け方に分析という能力が重要となり、教育しなければならない苦渋の選択でもあるのだ。
何度も教育に参上したが、悲しみの仕事に従事してきた私。葬祭業がホテルマン以上資質を求められるサービス業であることを誰よりも体験している。
社会でのサービス業、そこで最も高度なレベルを要求される仕事、それが葬祭業であると認識されつつあるが、弊社が加盟している日本トータライフ協会は、今、この部分での最先端に君臨していると自負している。
葬祭業界に於ける「安心のブランド」は、着々とその内容の充実アップに取り組み、かたちとして形成されてきているのである。
全国に多くの加盟メンバーがあるが、協会のHPに記載される企業名にも条件が課され、高度な研修会への参加なくしてその認知公表をしないところにも値打ちがあると思う。
今から名古屋のホテルに向かう。このホテルは、今、名古屋で最も人気のあるホテルで何度か宿泊したが、今回も1泊を予定している。