2006-12-15

様々な終(つい)  NO 1718


 昨日は雨、今日は朝から青空が。日中から夕方、そして夜半の気温の高さは異常なほど。通夜式場のエアコン暖房も、半分ほど停止しなければ暖か過ぎるぐらいだった。

 苫小牧で7人が亡くなられるという不幸な出来事が報じられていた。どうやらストーブの不完全燃焼が原因のようだが、日常生活の中でこんな危険で恐ろしいことが秘められていることを知っておきたいもの。なんとも言えない心情で手を合わす。

 この仕事に従事してからしばらくしてからのことだった。地域の重職にある方から電話、「いいか、慌てるなよ。落ち着いてわしの家へやって来い。すぐだ。いいな!」と一方的な言葉で切れてしまった。

<普通じゃない!?>と思いながら自転車で参上したら、ご近所は人でごった返して消防車やパトカーが停まっている。<火事にしては様相が違うようだし?>と考えていると、私の姿をご本人が見つけられ、「お~い」と呼ばれた。

  やがて家の中へ招き入れられたら警察官や刑事らしき人物もいる。「えらいことやがな!」と憔悴された表情で仰ったことを耳に衝撃が。その方の真裏の家でガ ス漏れ事故が発生し、警察官と消防署員が駈け付けた時点でご家族5人の死亡が確認され、今、検視の最中ということだった。

 5人家族全員が死を迎えられたという不幸な事故。やっと連絡の取れた親戚の人がやって来られたところから「どうするべきか」と打ち合わせが行われたが、検死を経て近くのお寺で葬儀ということになった。

 火葬場の時間調整や霊柩車5台という問題もあり、仮通夜、本通夜、葬儀という日程で進められたが、誰もが悲痛で疲労感いっぱいの悲しい葬儀。「この世に神仏はいないのか!」と言われたご親戚の方のお顔を今もはっきりと覚えている。

  昨日はトレーラーのタイヤが走行中に外れ、タンクローリーが乗り上げたという事故に驚いたが、今日は茨城県で旅館にトレーラーが突っ込むという事故があっ た。考えられないことが次々に起きている。世の中は危険がいっぱい。今日、命あることが不思議ぐらいに考える必要があるかもしれない怖さを感じる。

  そんな中、享年101歳というお婆ちゃんのお通夜に行ってきた。1ヶ月ほど前にお婆ちゃんの息子様のご不幸があり、その時に車椅子で参列されておられたお 姿が焼きついているが、満中陰の日を迎えられる前にご往生の素懐を遂げられてしまった。喪主をお孫様が務められているが、お父様を送られてすぐにお婆ちゃ んの葬儀、ご弔問の方々にも悲痛なご表情が。

 こんなお気の毒なご不幸は多くの方々に広がって行く。昼食時にお店の方から「お気の毒ですね。何時のお葬式?」と質問され、夕方に整骨院に行ったら、先生が腰に鍼を打ちながら「お気の毒ですねえ!」とのお言葉。

 お父様を送られ、そして1ヶ月も経たない内にお婆ちゃんを送られる。私より少しだけ若い喪主さんだが若かりし頃から交流があり、「しっかりとお送りしようね。来年はきっと素晴らしい年になるよ」と言葉を掛けた。

 担当責任者からの報告だが、ご納棺時、お婆ちゃんの手に握られていたものはスタッフの手作りだそう。弊社に特別に器用な社員がおり、何でも手作りで創作してくれるが、いかにも「らしい!」作品のようだ。

 さて、塾生達がブログの更新で頑張っている。それぞれがそれぞれらしい人柄を感じさせており、文章力や内容に「素晴らしい!」というものも少なくなく、それぞれがナレーション作りで役立っているような気がしている。

  今日の号、名古屋の塾生kuniさんが送られた故人のご終焉に感銘を受けた。それこそ見事な「人生の終(つい)」である。喪主さんのご謝辞にも感動した が、kuniさんの今日の表現力も見事だった。「葬儀司会者のつれづれなるままに」へのご訪問は、上記<HOME>からどうぞ。
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