2003-06-30

深夜の発信     NO 471

深夜にホテル社葬のシナリオを書き上げた。やはり、創造の世界は環境というところから、雑音の少ない深夜が最適。元来、夜に強いタイプが、こんな時に役に立つ。

 さて、今日はスタッフ達が大変。徹夜作業という祭壇設営が入っている。気の毒だが私は、上記の事情から遠慮させてもらうことにしている。

 午前中、1時間の会議があった。台本の読み合わせが行われ、統括ディレクターを担当する本部長の気合いが全員に伝わったようだ。

 午後から女性スタッフと共に進行シミュレーションをやってみた。ストップウォッチを手にしたタイムキーパーを指名し、秒単位のタイムスケジュールの確認となった。

 演出音楽の設定をチェックしてみたが、重要な部分で使用されるCD「慈曲」の数曲。その中で問題発見があった。

 それは、CDの2番目に挿入されている「うたかた」。ご遺骨のご入場で流される時の演出で、スタッフの数人が、この曲の活用テクニックを理解していなかったから。

 この曲を制作監修した際のコンセプトは、厳粛と会場空間の神変化。それらを作曲者が譜面に描いてくれた表現力が素晴らしく、会場内の照明ダウンのアクションと入り口扉のオープンをイメージし、イントロ部分が46秒という構成になっている。

 つまり、音楽のスタートに合わせて照明を少しずつダウンしていくシチュエーションを構成し、そこから6秒という時間で取っ手をを持ち、扉を開けたところで旋律がスタートとなっている。

 「ただ流すだけだったら素人の世界。そんな細かいシナリオ創作が出来るから弊社がプロと言われる訳。もっと奥行きを学んでくれ」

 そう言い切った本部長が逞しく見え、彼が一段と成長したような感じを覚えた。

 夕方、サブ司会者と綿密な打ち合わせを行った。言葉を発する際の「キー」も重要で、彼女の持ち味を最大限に発揮できるよう、チェックをしながら注文をつけた。

 徹夜組のスタッフから、「作業をスタートします」と連絡があり、ご苦労さんと伝え、この「独り言」の原稿を打ち出したが、予定外に携帯電話が鳴った。

 「音響さんが、社長は?とおっしゃっています。映像さんも照明さんも同様です。1回はリハをとの強いご要望です」

 現場にいるチーフ・パーサーの女性から懇願の声。

 そこで、今から出掛けることにするが、プロばかりの世界。きっと1回でOKということになるだろうが、お陰でこの発信が午前0時半になってしまい日付が変わってしまった。
久世栄三郎の独り言(携帯版)
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