2014-01-18

気仙沼の「たこ焼き」  NO 3522


不思議なご仏縁から知り合うことになった女性スタッフ、彼女は私が出演していたテレビ番組で「こんな葬儀の世界あるんだ!」と感じて弊社に入社して来た人物だった。

入社希望で面接した際に驚いたのは同業他社に勤務されている事実。それもクレームの対応を担当していたと聞いたので歓迎することにした歴史がある。

入社してから早々に九州から依頼があって大規模な合同葬の司会を担当することになり、3名の女性スタッフの必要性から彼女も一緒することになった。

行きは伊丹空港発の一番便。空港から式場までレンタカーで向かい、仕事が終わると在来線の特急列車と新幹線で日帰りというハードスケジュール。帰路は爆睡状態で帰阪したのが懐かしい。

そんな彼女が退職となったのはお母さんになることから。故郷である気仙沼にご主人と戻って暮らすということだったが、彼女のことが気掛かりで仕方なくなったのが東日本大震災。ニュース映像で目にした気仙沼の火災の現実に心臓が早鐘を打つような状態にもなっていた。

「元 気だったんだ!」と知ったのは昨年の7月頃の「幸せ列車」のコラムに掲載された新聞記事だった。ご夫婦とも大変な被害に遭った中、昨年の1月から軽トラッ クと簡易テント?の「たこ焼き店」を開業され、ご主人の持ち前の大阪パワーで「なにわのたこよし」という店が地元で大人気となっていた。

復興は人の心から始まるとのお考えも語られていたが、その明るくて「たこ焼き」以上に熱いハートに励まされた方々が多く、地元の交流の場にもなっていた。

今日、そのご夫婦がテレビ朝日の「人生の楽園」で採り上げられていた。店舗は昨秋に再会した時の雰囲気そのままだったが、その時に話した昔に体験した「醤油味」のたこ焼きも具現化されていたので嬉しかった。

割烹をやっている友人の奥さんが私の郷愁となっている「三丁目の夕日」時代のたこ焼き店をご存じで、彼の店で何度その話題で語り合ったか分からないほど忘れられないでいる。

奥さんも今日の番組を観られ、「憧れの味、また食べたくなりました」とすぐに電話が掛かって来た。

番 組の中で「醤油味」のたこ焼きは個数限定で販売されると言われていたが、半世紀前に私が食べた「醤油味」のたこ焼きも、店主だったおばさんが「一人でも多 くの人に食べて欲しいから」と、一人20円分以上の販売はしていなかった。当時は10円で8個もあったのだから最近の「たこ焼き」が高額になったと驚いて いる。

テレビ番組に流れた気仙沼の港の光景。右手に見えた高台に宿泊した気仙沼プラザホテルが映っていた。「フカヒレとアワビの陶板焼 き」が夕食にセットされていたが、偏食から私は駄目というとメニューを変更してくれ、大きなオムライスみたいな玉子焼きを中心に出してくださったが、妻か ら「そこに旗を立てたらお子様ランチ」と笑われた。
久世栄三郎の独り言(携帯版)
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