2008-02-27

大雨の降った日の出来事  NO 2134


 午前0時半に銭湯へ行くと、雨の日だったからかもかしれないが、男湯は帰るまで貸切。 温めの「よもぎ湯」に入り天井を眺めていて思い出したのが、丁度2年前の今頃のことで、3月に入院手術することが決まり、経験したことのない不安に襲われていた時期のことだった。

 痛みはあるが、今や誰も手術したなんて分からないほど見違える体型になり、ただ「トトロ」だけにはなりたくないと考えるこの頃である。

朝、妻から予定外の頼まれ事が。車で妻の妹の家まで付き合って欲しいとのこと。妹は、昨晩の飛行機でグァム島に在住する娘の家へ行ったそうだが、自宅の鍵を掛け忘れたかもしれない心配がということで電話があり、確認に行ったのである。

 結果は、鍵が掛けられた状態にあって安堵したが、ふと気になる不安感とは誰にでも起こり得るもの。それらは、年齢に比例して範囲や回数が増えてくるようである。

 阪神高速道路を往復、会社に車を入れ、そのまま友人のいる喫茶店でコーヒータイム。座ってから5分ほど経ったら携帯電話がブルブル。相手は深いご仏縁に結ばれる女性からだった。

「今、源ヶ橋の銀行のところまできています。社長に託したい物があって持参しております。突然ですがお願い出来ませんでしょうか?」とのこと。<何だろうと?>と思いながら生野本通商店街を西へ進んでスーパー玉出の前で会った。

 託されたものは可愛い「花束」と****様へと表書きされた手紙。そのお名前は私が今日の葬儀で司会を担当するお客様。弊社の式場の入り口に掲げられてあった故人名を確認されたようだった。

「裏 を見ると『七万歩才あの世の旅のファンの一人として』とある。今日の故人が私の数冊の著書を添削くださった歴史がある事実をこの「独り言」から知られ、そ の感謝の思いを綴られた内容だそうで、中に厳選された香りのお線香も入っているとのこと。ご出棺時にお柩の中のお足元に、そっと納めさせていただいた。

  信じられない話だろうが、世の中には、そんなハートのあたたかいお人もおられるのである。小説「七万歩才のあの世の旅」は650枚という原稿用紙の数、さ ぞかし大変な思いをしてくださったことを改めて認識し、ここでお2人の予想外で不思議なご仏縁に感謝の合掌を申し上げる。

 さて、そのお葬式だが、予想通り、私にとっては悲しい葬儀となった。過去の思い出が次々に浮かんでくる。

闘 病生活が始まった頃、<ご立派で凄い女性だ!>と心にグッと感じた出来事があった。想像を絶する「抗がん療法」を続けておられる中、「病院に行くことには 楽しみもあるの」と仰り、「次は、どんな抗がん剤が使われるのかと考えているの」と言われ、明るい表情を見せられたからだった。

 だからこそ8年間もの戦いが可能だったのかもしれないが、ご会葬に来られていた銭湯の女将さんが「ご最後に来られた時のことが印象に残っているの。『何時頃が一番空いていますか?』と尋ねられたの」と仰っていたことも印象に残った。

 ゆっくりとした時間が流れ、静かなご葬送のひとときとなった。ご長男の立派に謝辞を述べられたが、その中で、弊社の式場スタッフや私に対する勿体ないお言葉を頂戴して恐縮、ただご遺影に向かって九拝合掌させていただくことしか出来なかった。

 今日、夕方はライオンズクラブの会合があったが、急を要する問題があって変更し、大雨の降る中に遠方から来客を迎えた。

 どうしても高レベルな女性司会者の必要性が生じ、数名の候補者から私が指名推薦した人物と会ったのである。

 妻を交え、3人で食事をしながら将来に対する私の熱い思いを伝えたが、果たして彼女がどんな結果を出されるかは未定、そこに「ご仏縁」という言葉に縋る思いも。

  もうすぐ春の訪れ、会社の前進への大きな変革の時期を迎え、スタッフが一丸となって取り組んでいる。他社には絶対に真似の出来ないオリジナル形式の構築を 幾つも考えているが、それらは全てお客様のグローバルなニーズに応えるがための社内研鑽が「かたち」になったもの。その実践にはキャスティングが重要なの である。
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