2014-05-19
司会のこと NO 3641
深いご仏縁に結ばれる同業者からメールがあり、ブライダル関連校の講師を担当することになったそうで、思うところをしたためて返信しておいた。
これまでに多くの司会者の指導をして来た歴史があるが、その中にはブライダル専門の司会者だった人達も多く、仕事が少なくなったところから葬儀に枠を広げたいといいう単純発想も少なくなかった。
「私達は司会のプロです。ちょっと葬儀のことを教えて貰ったら対応出来ますから」なんて人物もいたが、葬儀の世界の広さと奥行きの深さを教えると「間違っていました」と素直に認めるようになっていた。
死に関する考え方、宗教の異なりによる言葉の変化対応などを教えると初めて恐ろしさを認識することになり、祝宴と悲しみの儀式の違いを理解してくれるように指導していた。
よく教えた言葉に「皆さんは披露宴の司会者であり、結婚式の司会者ではありません。そこを勘違いされると葬儀の司会者にはなれませんから」ということがあった。
結婚式も「神前」「クリスチャン」「仏前」「人前」と様々あるが、司会者の中で仏前結婚式の司会を体験した人がどれだけいるのだろうかと興味を覚える。
お寺の本堂で厳粛に行われる仏前結婚式もいいもので、何度か司会を担当させていただいたご仏縁もあるが、知らない人達に是非お勧めと伝えたい思いもしている。
あ る時、ブライダル司会者の団体に向けてのセミナーの講師を体験したことがあるが、冒頭で「新郎新婦の入場で拍手を求める司会者は一流ではなく、高砂の席に 登壇してから拍手を求めるべき」と提案したら「嘘!」みたいな表情に包まれたが、実際にその手法をやって体感させたら「目からウロコ」と感嘆された。
私 が披露宴の司会者に教えることに面白いことがある。それは逆転の発想という世界で、両親に感謝のプレゼントを贈る際に上から下へするのではなく、下から上 にするべきというもので、もうすぐ結婚式を行う一組にその話をしたら実行したみたいで、出席者から感動の言葉が多かったと喜びの報告があった。
それがどんな方法かに興味がある司会者さんはご連絡を。いつでもテクニックを指導しますのでご遠慮なくと書いておこう。