2011-12-12
発想転換 NO 2780
暗くなってからお世話になっている医院へ行った。珍しく待合室が空いており、すぐに診察室に通された。血圧のチェックと聴診器で呼吸の音を確認していただき、ずっと服用している薬を2週間分持ち帰った。
何種類もある薬、支払い金額が5000円をオーバーするが、喫煙している人のタバコ代を考えたらと思うことにしている。一日に二箱も吸う友人がおり、心筋梗塞や脳卒中になるぞと禁煙を勧めているが、その際に計算したタバコ代の額にびっくりだった。
西館で行われていたお通夜に行ったら、スタッフが運転する会社の車が玄関に到着。中からご弔問の方々が降りて来られたので事情を確認したら、間違われて本館の方へお着きになったそう。
本館で行われているお通夜をご確認されたかどうかは確認しなかったが、これまでにもこんなことが何度かあったので気を付けたい。
ご弔問者が多かった。コート担当のスタッフが大忙し。間違いのないようにとアドバイスをしておいたが、傘にコートは我々葬祭業にとっては問題が発生する危険性が高いので要注意だ。
中国の航空会社が日本人スタッフを客室乗務員として雇用し、中国人スタッフとの差異について書く記事があったが、お客様に言われる前に気が付くのが日本人サービスとして、
評価の異なりが指摘されていた。
幾つかの一流ホテルのスタッフ教育を何度か担当したことがあるが、私の哲学と信念である「日本人は、礼節を重んじる恥の文化がある。仕事は後ろ姿に象徴され、サービスは後ろにも目があるように行動しなければならない」なんて並々でないことを説いてきたので恐れ多いこと。
葬祭業はホテルマン以上の資質が求められる仕事。そう発言したら、ホテルマン達はいつも表情を曇らせたが、その意味の背景を説明すると納得してくれた。
何度か書いたが、「司会者は究極のサービス業」との意識。それなくして葬儀の司会の世界は技術で誤魔化せる簡単なものではない。これまでに多くのブライダル司会者の研修も行ってきたが、全てと言ってよいほど葬儀の世界を甘く見ていた風潮があった。
そんなブライダル司会者の皆さんに指摘したことで衝撃が高かったのは二つのこと。一つは、新郎新婦入場の際、「これより新郎新婦が入場します。恐れ入りま すが、拍手につきましてはご遠慮ください」というコメント。そう言うと、披露宴会場内から「えっ!?」とどよめきが起きる。私は、それが好きなのである。
誰もが当たり前のように「盛大な拍手でお迎えください」なんて発言しているが、高砂の席に登壇したところで「盛大」の意味があり、入り口からの道中は音楽と言葉だけで進める。そんな発想さえ出来ない司会者なんてプロではないと断言する。
二つ目は、宴たけなわを過ぎ「お開き」の前に新郎新婦から両親への感謝の言葉やプレゼント贈呈が行われているが、そこで新婦の手紙をお涙頂戴式に代読するなんて恥ずかしいレベル。ここに逆転の発想が求められるので書いておこう。
考えて欲しいのは、一段高い高砂席に新郎新婦がお雛さんの如く鎮座しており、上の段から両親にプレゼントを持ってくるのがおかしいと言うのが私の考え方。 その前に、会場スタッフに客電をダウンさせ、その間に両親達を高砂席に座らせる配慮。つまり、下から上に感謝のプレゼントを贈るという光景が重要なのであ る。
照明がパッと明るくなったら入れ替わっている。巣立つ二人が育ててくれた両親に感謝するならそうあるべきではないだろうか。当たり 前のように行われてきている式次第だが、発想を原点に戻して考えてみたらおかしなことがいっぱいあるもの。私が葬儀に関して意識改革を感じ出したのは、そ んなところからだったが、改革や変革には忘れてはならない問題が秘められている。それを全て物語る四文字熟語が「温故知新」である。