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2004-05-10

裏側で   NO 788

今日、正座をする場が2回あった。一回は、お客様のお家。もう一回は、お寺様だった。

 それぞれ30分、1時間というもの。恥ずかしい限りだが強烈な痺れを感じ、立ち上がれない状況に陥っていた。

 車に戻り走り出すが、アクセルを踏む右足が血流の影響でくすぐったくて仕方がない。こんなところにも体力の衰えを感じてしまう。<3時間でも大丈夫な時代があったのに>と、昔を懐かしみながら反省をする。

 お客様のところへは、スタッフを伴っていた。彼は「僧籍」を持しているが、ちょっと肥満の傾向からか「痺れています」と正直に。

 日常生活の中で、正座する機会が少なくなってきている。葬儀の式場や法要会場を決定される条件に「椅子席」という要望も増えてきたし、お寺の本堂で畳敷きという場合、焼香の際に危険がいっぱい潜んでいる。

 過去に書いたが、急に立ち上がった喪主さんが骨折され、救急車で運ばれるハプニングもあったし、お寺様に倒れ掛かったことや、もたれ掛かった焼香台をひっくり返されて大事になった出来事も忘れられない思い出。

 そんな体験から「火バサミ」やスプレー式の「簡易消火器」の携行対応をすることになった。

 サービスには限界はないが、葬儀というものにハプニングは付きもの。一人の方のご不幸に全国から多くの方がやって来られる。そこには忘れ物なんて当たり前。想定できるものを準備しておくのも大切なこと。

 「この近くに呉服屋さんがありませんか?」 

そんなご質問に多いのが「襟の芯」に「白足袋」。喪服を用意されたのに「草履」を忘れたとか「帯締め」が入っていなかったというのは日常茶飯事。

 過日に参上した北海道のメンバーが経営する葬祭式場、そこには体温計から一般的な常備薬まで準備され、ホテル並みのサービスレベルが構築されていた。

 意外と多いのがストッキングの電線。それに気付いたら女性スタッフがさりげなく耳打ちするべき。我々男性では「マイナスサービス」となる危険性も?

 弊社も様々な備品を整えているが、黒ネクタイに数珠の貸し出しが想像以上に多い。ただ残念なのは、そのまま、お持ち帰りになってしまうケースが少なくないこと。

 式場となるお寺やご自宅が遠方の場合、上述のサービス対応を考えると、その場で解決するとなれば備品が膨大で、その量は軽自動車のワゴン1台ぐらいになるだろう。

 故人が好まれたタバコの銘柄、そんな情報入手も大切なサービス。ご出棺前になって「タバコ忘れていた」なんてことも多いもの。何方かが持っておられた数本入りでは気の毒だ。

 「マッチは?」と、そこですぐに対応できるサービス。葬祭業とは、究極のサービス業である認識の時代でもある。
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