最新 最古
2004-06-12

人生行路   NO 819

九州へ運ぶ機材、トラックが南港発の今晩のフェリーに乗ったそうで、今頃は瀬戸大橋のあたりを航行しているだろう。

 温帯低気圧に変化した台風が去った。それでも波が高いだろうが、瀬戸内海は穏やかな海。1万トン以上のフェリーとなれば大きく揺れることはない筈。

 過去に、宮崎、鹿児島、志布志、日向、延岡、別府、大分、苅田、新門司、小倉と、九州間を結ぶフェリーを100回は利用しただろうが、<こんな強風なのに出航を?>と驚いたことが何度かあった。

 宮崎や志布志に向かう太平洋航路は、和歌山沖の友ヶ島あたりから揺れ出す。太平洋とはとんでもない大波の世界。室戸岬の沖合いあたりから立つことすら出来ない状況に「戻ってくれ」と思ったことも少なくなかった。

 太平洋のヨット横断体験記を読んだことがあるが、臆病な私なら1時間も持たないだろう。人間とは信じられない勇気で自然に挑戦するものだ。

 最近、舞鶴や敦賀から北海道を結ぶフェリーに新造船が就航したそうだが、1万5000トン以上の巨大な船体を、車並みの時速58キロで航海するというのだから驚き。

 雄大な北海道を自分の運転で走ったことのない私、時間に余裕が生まれたら利用してみたいと思っている。

 所要時間が20時間といえば、大阪から札幌まで走る人気のトワイライト・エキスプレスと同じ程度。広い船内を闊歩できるのが船の楽しみだが、週間天気予報を確認してから乗るべきかもしれない。

 季節は梅雨、我々の仕事にとって辛い時期。参列される方々も大変だろうが、この季節を過ぎると暑い夏が待っている。

 人生は「四季」と誰かが書いていたが、「四季」とは「死季」にもつながり、その先に「式」がある。

 昨日、出生率が話題になっていたが、一方で昨年の死亡者数が103万人を超えたと報じられていた。

 歴史を振り返って、100万人を超えたのは戦後で2回目。一回目というのが私の生まれた1947年だったことが感慨深い。

 物のない時代、復興に必死だったであろう戦後の荒廃期、倒れられた人が多かったという事実を学び知る。

 人生とは「航海」なんて披露宴のスピーチで聞くが、「後悔」のないような生涯を過ごしたいもの。

数年前、学生向けの講演で「人生とは?」と問うと、「障害競走です」と元気に答えた若者がいたが、それが「生涯競争」だったのかも?と思い始めたこの頃だ。
久世栄三郎の独り言(携帯版)
携帯で下のQRコードをスキャンするか
 または
携帯に下のURLを直接入力します。
URL http://m.hitorigoto.net