2004-03-19

長老のご高説から   NO 736

今日、担当申し上げた葬儀で、懐かしい方がご親戚におられた。その方は、私の若かりし頃、弊社で事務職として勤務されていた。

 私より20歳ぐらい年上だが、「えらい太りましたねえ」と驚かれた。

 当時の体重は、汗もかかない50キロ。スポーツの練習に明け暮れていたから。現在64キロだから太ったことは間違いないが、ウェストだけが目立ってという状態。

 帰宅途中に寄り道、喫茶店でお茶を飲んでいると常連の長老が同席され、30分ほど人生訓を拝聴することに。その中で印象に残ったのがイギリスの哲学者である「ベーコン」の次の言葉。

 『若い時、一日は短く一年は長い。年をとると一年は短く一日は長い』

 四十路から五十路に入り四捨五入なら還暦という私。この言葉に共感を覚えると答えると、長老は「君は、まだ若い。これからだよ」とおっしゃる。

 長老は84歳だが矍鑠とされ、月に2回はゴルフに出掛けられる。27年後の自分を思い浮かべながら一抹の寂しさ。

 さて、その長老から「サービス」についてのご意見も頂戴した。伺うと昨日にゴルフに行かれたそう。そこでロッカールームで体験されたことをおっしゃる。

 「ガラガラの状態なのに、キーを受け取りロッカールームに行くと、我々4人のロッカーが並んでいる。<こんなに空いているのに、どうして窮屈な思いを>と感じた。あのゴルフ場はなっとらん」

 そんなお怒りモードに同調してしまった私、そこでとんでもないことを言ってしまって反省している。

 「火葬場もそうなんです。同時間に入場されて隣同士なんてひどい混雑になりますし、宗教の異なりも問題があるのです」

 そこまで言って<しまった>と思ったが、長老は、悠然と次のように返された。

 「確かにそうじゃ。お寺さんと神主さんが隣り合ったらややこしい。わしの時は、そうならんように頼んでおくぞ」

 そうそう、ガラガラで思い出したが、先日の新幹線の中で「?!」という光景に出会った。

 10人ぐらいしか座っていないグリーン車。幼い子供さんを連れた若いお母さんがおられたが、彼女が子供さんを隣の席に座らせていると、パーサーが通る際、冷たい表情で次のように言った。

 「お客様、お子様はひざの上にお願いします」

 <何と融通の利かないサービス姿勢だ> そんな思いは私だけではなかったと思うし、JRがどんな教育をしているのだと怒りさえ覚えた。

 「込み合いましたら、その節には」ということでも「キツイ」だろう。あのパーサーさんが、子供を持たれたらきっと気付く筈だと信じたい。
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