2002-06-17

ああ、難しい問題だ。  NO 107

ハードスケジュールで、この発信は、午前0時を少し過ぎてしまい、16日付けではなく、17日付けとなってしまいますが、なにとぞご海容くださいませ。

 ある日、一本の電話から、衝撃を受けることになった。

お電話をくださったのは、先月にご葬儀を担当させていただいたお客様。お話の内容は予想もしなかったことだが、今後に大きな問題があることから悩んでいる。


そのご葬儀では、遠来のご親戚のお一人が、ビデオがご趣味のようで、
悩みとは、著作権や肖像権など知的財産に関係することで、近い将来に法的に対策検討をしなければならない問題でもある。お通夜からご葬儀のすべてをデジタルビデオで収録されておられた。

ご出棺後、火葬場に到着された際、「ここでは撮影禁止になっております」とさりげなくアドバイスを申し上げ、撮影されることなくほっとしたが、帰路の車内で「まさか」というようなことをおっしゃられ、危惧していたことが現実となって驚いている。

ご本人は、弊社の葬儀の形式に驚かれ、「最先端の葬儀が収録出来ました」と言われ、私の立場では喜ぶべきところであるが、満中陰に再度来阪され、喪主様に、その編集ビデオが思ってもいなかったところへ、ダビングしてプレゼントされたということが表面化した。

喪主様も、親の葬儀の収録ビデオが他人に流されるということが耐えられず、私に電話をされて来られたが、何と言ってもプレゼントの相手が問題であった。

なんと、その方のご友人が私と同業者で、ご帰宅されてからご自宅で撮影会を開かれ、見られた同業者さんが「ダビングしてくれ」というのが始まりで、撮影されたご本人は「凄いだろう」と悦に入ってしまったようだ。

「著作権で押さえることは出来ないでしょうか?」
それが喪主様のお考えで、弊社ではどうすることも出来ず、残念ながら、そのご親戚の方に最善の解決を願うしかないとお応え申し上げた。

こ れまでにも、新聞で社葬告知された葬儀を担当すると、必ず数社が会葬者に紛れ、ビデオや録音機で隠し撮りをすることがあったが、これらもどうにもならず、 黙認してきた経緯があるが、ご親戚の方から業者に流れることは予想もしなかったことで、デジタルビデオの流行の時代、これらの防御を何とかしなければなら ないようである。

 私達の業界は、知的所有権に対する考え方が低く、とんでもない事実にぶつかることもあった。 

ある時、葬祭用品を販売する会社のセールスが来社され、司会の収録された極秘テープを販売しておりますということから、「さわり」だけ聴かせてよと懇願して驚愕した。

その声が誰か、すぐに解った。「この司会者のことを知っている」と言うと、相手は「誰ですか?」と返してきた。

「それは、私」「・・・・・・」 

後はご想像にお任せいたしますが、知らない内に収録され、販売されている。私がそれで幾らかの利益を得ている。そう誤解されることだけは許し難いことである。
久世栄三郎の独り言(携帯版)
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