2003-07-03
核家族の最期の親孝行 NO 474
葬儀のご依頼を頂戴し、参上する。「喪主様は? 何方が?」
そんな確認に結論がすぐに出ないことが多くなってきた。
「長男が東京でして、夕方には着くと思うのですが」
ご商売をされていて、ご次男が継承されている場合にこんなケースが見られるが、サラリーマンとなったご長男が転勤され、赴任地で家を建てられたというような、いわゆる核家族のご家庭では、葬儀の日時、形式、予算などの打ち合わせがすぐに出来ない状況となる。
そんな核家族のご家庭から、弊社に事前相談の電話があった。
その葬儀を予定されているのは、他府県。弊社のサービスエリアではなかった。喪主となるご長男が東京に住まれ、実家近くの病院に入院されるお父様のお見舞 いに行かれた時、医師から「覚悟を」と伝えられ、ふと、ご自身が<親不孝をしてきていた>と、核家族になったこれまでの過去を振り返られたそうだ。
そこで考えられたのが葬儀の際に行う最後の親孝行。葬儀社選びを真剣にと、時間を見つけてはインターネットで情報を集めたられたと言われる。
そんな中で見つけてくださったのが弊社。ご丁寧なお言葉で電話による事前相談が始まったが、他府県ではあるが、高速道路の利便性があり、渋滞さえなければ 約1時間で行けるところから、スタッフ内で<やりましょうという結論となり、万一の時には担当申し上げることになった。
早速、その地域の調査を始める。火葬場は何処にあるのか? お柩の最大寸法は? 高さ、横幅、長さ。また、予定されている式場から火葬場までの所要時間。その地域独特の習慣など、それらは細部に亘る調査が進められた。
仕入先業者にもお願いをして、その地域の葬儀社さんの存在や慣習を確認するが、これが意外な効果があり、これで準備万端というところまでこぎ着けた。
しかし、予測できないという問題がある。私が司会を担当するべきだろうが、その日のスケジュールが全く不明である。ご本人が「親孝行」と弊社をお選びくださったのに、私が担当出来ないのは申し訳がない。これでまた悩みのタネが増えた訳である。
恐らく、ご本人様は、この「独り言」をご笑覧なさっておられるでしょうが、そのための尽力は覚悟いたしておりますが、ご仏縁が結ばれますよう、そして、その日をお迎えになられるまで、お心残りが生まれないような時間をお過ごしになることを祈念申し上げます。
お電話、誠に有り難うございました。 合掌