2003-10-04

ノスタルジー    NO 566

早朝に葬儀の依頼の電話があり、お疲れモードが体調不良に進んでしまった。

 そんなところから少し早めに自宅に帰り、久し振りにテレビをつけると懐かしい光景が飛び込んで来た。

 それは、釣りの番組で、私が若い頃に嵌まり込んだ道楽の世界「ヘラブナ」の特集であった。

 画面に映し出されている湖面、それは、愛媛県の鹿野川ダム。当時に釣り仲間だけが利用していた釣り宿も登場し、懐かしさでいっぱいになった。

 2人の釣り師が次々にヘラブナを釣り上げている。その大きさたるや小さいので35センチ。これは?と思うと40センチ以上もあり、背高で幅広の魚形にヘラブナらしい可愛い目が印象的だった。

 愛媛県の肱川上流にあるこのダムは、古くから大型ヘラブナの宝庫と言われ、何度か挑戦してみたが、いつも惨敗に終わった苦い経験がある。

 当時に釣行をご一緒したのは近所のおじさんお2人だが、お2人共、もう、この世にはおられず、そんな思いが被さって釣り宿での夜を思い出した。

 過去ログにもあるが、多くの釣り師仲間の葬儀を担当し、「形見」として頂戴した名竿が数多くあり、今は、使用することもなく大切に保管をしているが、もう「火入れ」程度で使用可能になることがないと予想している。

 これこそ「宝の持ち腐れ」ということになるが、芸術的と称された日本の名竿だけに、記念館でもあれば寄贈したいと考えている。

 記憶の中にある竿師の銘だが、「源竿師」「竿春」「夢坊」「櫓声」「一文字」「影舟」「至峰」「こまどり」など、往時の歴史を飾る、まさに天下の名竿であった。

 ある時、西名阪高速道路の香芝サービスエリアの下にある「分川池」で釣っていて、びっくりしたことがあるので紹介しよう。

 この大きな池の桟橋で5人ぐらいが釣っており、私が魚を釣り上げる竿の曲がりを見られた御仁が近付かれ、「やはり、至峰さんだ」と言われたのである。

 後で知ったことだが、この方はヘラブナ雑誌で著名な方。

その後、この方の紹介で紀州にある竿師の集まる池、「隠れ谷」に釣行したことも懐かしいところだし、趣味が高じて釣り池を手に入れられた近衛十四郎さん、松方弘樹さん親子の「亀岡」の池にも何度か足を運んだ。

 竹竿、竿師に関する記念館などがあれば、是非、お知らせいただきたく、よろしくお願い申し上げます。
久世栄三郎の独り言(携帯版)
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