2005-03-03

圏外でした?  NO 1083


 交通情報で渋滞の有無を確認、高速道路経由で式場に向かった。私の担当は1時間半の葬儀だが、ゆったりした時間配分でシナリオ構築してあり、会葬の皆さんに退屈させないような雰囲気づくりを車の中で考えていた。

 会葬者の中に歴史ある大手葬儀社の社長さんがおられ挨拶を交わし、長い交友があった会長さんのご体調を伺った。

 弊社の葬儀は他社とは全く異なる部分が多いが、体感された社長さんが幾つの知的所有権に気付かれたかに興味を覚えている。

 何処にも出来ないこと、すべてをオリジナルという「かたち」で構築した高級葬儀のソフトとノウハウだが、インテリ層のお方にすこぶる評価が高く、今日も葬儀終了時にもスタッフから「お客様がお呼びです」という嬉しい出来事があった。

 ご当家を担当していた責任者は女性スタッフだが、彼女に「司会者は、何処かのアナウンサーを連れてきたの?」とのご質問に「弊社の社長です」と答えたことから始まった。

 「いやあ、初めて体験した葬儀だ。何とも表現できないイメージだったよ。これから紹介したいので、この式場でする際は担当してもらえるのかな?」

 そんなお言葉をいただいて「年齢は?」とおっしゃった。

 「57歳です」と申し上げると「まだ大丈夫だ。それだったら私の葬儀も頼むよ」とのやりとり。「私の方が先に逝くでしょう」とお返しするとお笑いになった。

 スタッフ達の動作を誉めてくださったことも嬉しかったが、しばらくすると別の方に呼び止められ、「ホテルのスタッフみたいだな」とのお言葉も。

 「ホテルの仕事も担当しておりますので」「そう、それで?納得」というやりとりに進展した。

 こんな自慢話のついでだが、私が最も大切にしているのは空間環境。義理的会葬者さえも一切お喋りの出来ない儀式空間の完成だが、それらは広い式場の場合ほどパワーアップをさせている。

 「ここは普通の場ではない」というイメージづくり、それには様々なテクニックがあるが、音響、照明、音楽、言葉、動作など総合的なプロデュースが不可欠。今日の式場内、誰一人としてお喋りはなく、厳粛な式場空間になっていたと自負している。

 「人」を儀式で送る世界、そこに緊張なくしての完成はない。ご遺族、宗教者、会葬者、そして我々スタッフ全員が緊張する葬儀、そんなひとときが1時間の中で提供できたらと願っているし、不幸でない「ひととき」のエッセンスも大切に考えている。

  仕事を終えて関西空港近くのホテルへ。そこから知人に勧められたマッサージ治療に手軽な温泉に。到着したのはいいが、予想外に山奥深く。冷え気味の足腰を 温めたら疲れが一気に出てきた。そこで予定外に宿泊することにしたが、電波が圏外ということから日付が変わって昼の発信となった。
久世栄三郎の独り言(携帯版)
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