2005-08-16

大変でした  NO 1242


 おかしな表現で恐縮だが、広くて快適な式場であるご本堂、導師、副導師の読経のお声が響き渡る。自然に厳粛なムードに包まれた参列者、その表情がこれまでの葬儀とは異なるような感じ。声明(しょうみょう)的な独特の世界が醸し出された儀式空間だった。

 火葬場からの帰路の車中、「まるで音楽の世界みたいでした」と喪主様のお言葉。バックミラーで後方確認をした際、同乗されていたご導師が<よかったですね>というご表情。

 葬儀の始まる前の打ち合わせ、「弟子が間に合ってよかった」とおっしゃったが、伺ってみるとご子息とのこと。びっくりして名刺入れを取り出しご挨拶。

 このご子息のお声が何とも言えず心地良い。トーン、抑揚、発声が素晴らしく、声質も「天性」だろうが「天声」というぐらいに恵まれておられる。このご本堂の反響音で見事なハーモニーが生まれていた。

 この方のお声、弊社のホール空間の音響システムでお話しされたら<さぞかし!>と、勝手な想像を膨らませていた。

火葬場から戻った式場、お墓参りの檀家さん達の車が多く、バスの車内の忘れ物チェックを済ませてすぐに帰社することにしたが、女性スタッフの1人を置き去りにしてきたことを指摘され<しまった!>と反省。彼女は遠い所から路線バスを利用して帰社してくれた。

 空模様が怪しくなってきた夕方、お通夜に向かう段取りをしたが、弔問者が多数という情報から車をやめてタクシーで行くことに。

 お盆の影響で車の通行が少ないが、予想外にタクシーが中々やって来ない。10分近くも待つことになり、お陰で水分不足みたいな体調に。

 通常なら30分ぐらい要するコース、スムーズに流れて15分で到着。すでに200人を超える参列者があり<大変だ!>と思いながら交通警備員さん達にご苦労様を。

 お部屋から庭に続く通路がうまく出来ている。安全第一に考慮されたのだろうが、頑丈な材木が使われ勿体ないぐらい。勾配のあるスロープの部分は、滑らないように何箇所も横板がセッティングされていた。

 音響設備の置かれた場所、そこに着いて驚いたのがご親戚人数の多さ。ご導師の入退出をどうするかが大変。担当責任者の意見を聞きながら決定した。

 にわか雨が予想される。物理的な状況からご遺族、ご親戚用の焼香は3名ずつ。弔問者用は5名ずつが限度。頭の中で流れと時間を計算しながらゴーサイン。外で雨に気付いたらインカムで連絡をと命じておいた。

 故人のお人柄を物語るように多くの弔問者、予定より3分オーバーで何とか終わった。

 司会席で落ち着いて見ると、目の前に掛け軸がある。「佛心 南無阿弥陀仏」と見事な文字。それが故人の直筆で、卒寿の記念作品であると責任者から教えられ手を合わせた。

 参列者全員の焼香が終わると同時に外の接待が始まった。お料理、茶菓子にお酒やビール、接待担当スタッフ達も大変だったよう。

 心配していた雨だが、傘を必要とするまでは降らずに安堵。ただ体調が熱っぽくなり、後を任せて少し早めに帰社することに。

 帰路のタクシーが中々来ない。その内にと歩いていたら800メートルぐらい進んでいた。やっと来たタクシーで戻ったが、往復の料金で400円も差があった。
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