2012-08-28

視点を変える  NO 3028 


 過日、九州新幹線の西九州ルートの起工式のニュースがあったが、続いて北陸新幹線の金沢と敦賀間の起工式も行われていた。

 また、北海道新幹線でも起工式が行われ、函館と札幌を結ぶ211キロの工事が具現化を始める。現在の在来線では函館と札幌間は318キロとなっており、「スーパー北斗」の最速列車が約100キロという表定速度で3時間少しで結んでいる。

 新幹線が完成すれば1時間と少しで結ばれることになるだろうが、九州新幹線の開通にも生じたように、特急列車のなくなった在来線の不便さは地元に大きな影響を及ぼし、新駅の利用者が驚くほど少ないという事実も起きている。

 新幹線で最寄り駅まで早く行けるようになっても、そこから在来線の特急停車駅であった旧市街地まで行くのに時間を要し、博多駅からどちらも変わらないという地域もあり、地元では将来を懸念する声も少なくないようだ。

「肥 薩おれんじ鉄道」のように、新幹線開通と同時に第三セクターを余儀なくされ、特急列車がなくなったことから、鹿児島までの時間が随分と不便になったところ もあるし、新駅でも途中にあるところは利用者が少なく、駅周辺の開発が予想もしなかった遅延というケースも生じている。

 終着駅同士は便利になってメリットはあるが、流れを急変させることは予想外のことも考えられる。福島の原発事故が教訓にもなろうが、起工する前に「エンディング」のシナリオまで描いておくべきと考えたい。

  そんなことを顕著に物語るケースが熊本県の球磨川にある荒瀬ダムの撤去問題だろう。かつては県内の16パーセントの電力を供給していたが、今では1パーセ ントにも満たなくなってしまい、老朽化もあって6年を費やして撤去工事が始まるというニュースがあったが、その工費が圧縮しても約90億円も必要というの だから驚きである。

 高度成長期に造られたダムが全国にあるが、やがて寿命から撤去しなければならないところが次々に出て来るだろうし、そこまで考えなかった政治家や行政の「付け」が国民に負担を強いることになるだろう。

  私は、プロデュースと司会が本業であった。そこで重視しなければならないのは物事をエンディングから遡ってシナリオを考えるということで、分かり易くすれ ば「お帰りになるお客様の後ろ姿から遡る」ということで、それらは葬儀という世界で最も大切にして来たことでもあった。

 そんな中でも真剣に取り組んだことは妥協をしないキャスティングで、予算に振り回されることなくフルキャストで対応することの重要性を学んできた歴史もあった。

 妥協をしてしまうと、結果として後悔することになる危険性があり、「プロとは反省はするが後悔はしない仕事をする」という哲学が生まれたのもそんな背景からだった。

 昔、何かの本で感銘を受けた言葉があり、それをこの「独り言」で書いたら大きな話題に広がり、あるブログで紹介された出来事もあったが、今では懐かしい思い出なのでここに再度したためておこう。

『あなたにとってこれまでの最高だと思える仕事は? それは、明日の仕事です』

 今日の写真は、東京の有名なレストラン「カシータ」で行われたサービス研修会のひとこまから。オーナと同席をして食事をしたのが勉強になった。
久世栄三郎の独り言(携帯版)
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