2004-08-05
享年55歳 NO 873
朝刊を見ると「アポなし台風」という見出しがあった。太平洋上に突然発生した熱帯低気圧、速いスピードで四国や関西を通り過ぎて行った。
昨日の夜のニュースで<台風が?>と知ったのだが、その頃には強風と猛烈な雨。ご遺体搬送に出掛けたスタッフや、打ち合わせに参上しているスタッフ達の帰路を心配していた。
「黒潮が大蛇行している」という記事もあったが、世界中で発生している洪水のニュースからも、やはり地球環境に異変が起きているのは事実。
人 間の「驕り」を真摯に受け止め、地球上で「生かさせてもらっている」と考えたいものだし、残されている美しい自然環境を、我々が命を伝達する孫や曾孫だけ ではなく、永遠の宝物として大切にしたいものだが、最近流行の「世界遺産」登録にも何やら力関係が見え隠れして寂しい気持ちを抱いている。
人間とは凄いもの。ダムを造り高層ビルを建設する。ロケットを発射して宇宙の研究も始めた。しかし、地震の予知も出来ないし台風の襲来をどうすることも出来ないのが現実。もっと謙虚にならなければ「罰が当たるぞ」と、先人の声が聞こえてくるようだ。
さて、モダンな建築をされたお寺に行った。女性の方のお通夜が行われているが、このお寺のイメージに合わせた現代的な祭壇。担当責任の女性スタッフが呼ばれている。
相手様は喪主をつとめられる方の奥様。<何を?>と聞き耳を立てていると会話が入った。
かわいい花柄のお柩、そのイメージに合わせた花祭壇のコーディネートをお気に入りくださったとのこと。
式場に到着して指摘したことがあった。お客様がお気付きになるミスではなかったが、担当者が確認をして手直しすることに。
勤行をつとめられたのはお二人のお寺さん。お一人は研修だと伺ったが、本堂の構造の影響からか読経のお声がハモッて聞こえ、いいムード。明日はお寺さん用のマイクが不要かもと思っている。
故人は私よりも若い方。花に飾られた祭壇の中央、特殊加工が施されたご遺影が涙を誘う。
勤行が終わってから喪主さんの謝辞。この内容が人の心の温かさを感じるもの。多くの方々が暗涙されていた。
美空ひばりさんの歌がお好きだったそう。明日の葬儀は、時間がゆっくりと流れる環境空間を重視したいと考えている。